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米決済ブロック株急落、投資会社「利用者水増し」指摘

(更新)

【ニューヨーク=佐藤璃子】空売りで知られる米投資会社、ヒンデンブルグ・リサーチは23日、米決済大手ブロック(旧スクエア)に関する調査報告書を発表し、同社が決済アプリの利用者数を水増ししていると指摘した。発表を受け、ブロックの株価は一時、前日比で22%下げた。終値は15%安だった。

報告書はブロック元従業員の指摘も踏まえ、同社の個人間送金アプリ「キャッシュアップ」のアカウントのうち推定で40〜75%が偽物だったり、詐欺に関与したりしている可能性があると記した。ヒンデンブルグは2年間にわたりブロックを調査したといい、同社株を空売りしていることも明らかにした。

新型コロナウイルスの感染拡大に対応する政府給付金の詐取を助長したとも指摘している。「複数の個人が同じ口座番号を利用して給付金を受け取ることは不正であるという社内外からの警告を無視した」と示し、ブロックのコンプライアンス(法令順守)に複数の重大な欠陥があると批判した。

ブロックは23日、ヒンデンブルグの報告書に対し、「投資家を欺き、混乱させるためにつくられたものだ」と反論。米証券取引委員会(SEC)と協力し、法的措置も検討するという。

ブロックは米ツイッターの共同創業者であるジャック・ドーシー氏が2009年に創業した電子決済分野のフィンテック企業だ。21年12月にブロックチェーン(分散型台帳)に軸足を置く経営戦略を反映して社名をブロックに変更した。22年にはオーストラリアの後払い決済大手、アフターペイを約290億ドル(約3兆8000億円)で買収するなど、決済分野で業容を拡大してきた。

ヒンデンブルグは事前に空売りを仕掛け、企業の不正や疑惑を告発することで知られる。23年1月にはインドの財閥アダニ・グループに不正会計疑惑があると告発した。アダニは不正を否定しているが、告発を受けて株価は急落した。

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