/

米ファナティクス、トップスのトレカ部門買収

【米州総局=宮本英威】スポーツ関連グッズの米ファナティクスが、米トップスのトレーディングカード部門を買収した。複数の米メディアによると、買収額は約5億ドル(580億円)。主力の衣料品に加え、米大リーグ選手のカード発行を手がけるほか、サイン入りカードなど収集品の非代替性トークン(NFT)事業の拡大も計画している。

ファナティクスは2021年8月、米大リーグ機構(MLB)と26年以降のベースボールカード製作について契約を結んだ。従来はトップスが長年MLBのカードを製作してきていた。

トップスはトレーディングカード事業を70年以上手がける有力企業の一社だが、MLBとの契約が終了する25年以降は主要ブランドを失うことになるため、動向が注目されていた。1月の買収完了に伴ってMLBのカード発行の権利は26年を待たずにファナティクスに移ることになった。

ファナティクスはMLBと契約後も、米プロバスケットボール協会(NBA)や米プロフットボールNFLのカード製作の権利を取得していた。今後はトップスが持っている自動車レース最高峰のF1、欧州サッカー連盟(UEFA)、ドイツのプロサッカーであるブンデスリーガ、米メジャーリーグサッカー(MLS)などの幅広い権利を保有することになる。

ファナティクスのマイケル・ルービン最高経営責任者(CEO)は「スポーツ製品のデジタルプラットフォームをけん引するため、トレーディングカードは重要だ。(トップスの)優秀なブランドと情熱的な従業員は我々がプロリーグ、選手会、ファンに対して業務に取り組むのを可能にする」と述べた。

ファナティクスは21年5月、NFTを販売する子会社キャンディデジタルを立ち上げている。NFTはデジタル加工をした作品が複製されたものではなくオリジナルだと証明する技術で、芸術やファッションで活用されている。スポーツ分野では選手の動画や画像に用いられている。今後はカード分野でも活用を広げていく。

ファナティクスは21年8月に3億2500万ドルの資金を調達している。米メディアによると、この時点で企業の評価額は180億ドルで、1年前の約3倍に達した。ソフトバンクグループや著名ラップ歌手のジェイ・Z氏らが参加した。今回の買収などにより、企業価値は270億ドルに上昇していると報じられている。

ファナティクスは1995年に創業した。フロリダ州に本社を置く。スポーツチームのライセンス商品の製造・販売を手がけている。日本法人は2018年1月に設立した。21年7月にはMLBのエンゼルスに所属する大谷翔平選手とサイン入りグッズに関する長期の独占契約を結んだ。

トップスは1938年にチューインガムの製造販売会社として発足した。51年にトレーディングカード事業に参入して、有力企業となった。現在は英国やブラジルなど10カ国に拠点を持ち、世界100カ国以上で製品を販売している。アジア市場の需要拡大を受けて、21年3月には東京に事務所を設けた。同10月には日本プロ野球組織(NPB)とのライセンス契約を発表し、日本市場向けの独自商品も販売を始めていた。

今回の買収に伴い、世界で約350人いるトップスのトレーディングカード部門の従業員は、ファナティクスに移る。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン