ドライブ・マイ・カーに米アカデミー賞 国際長編映画賞
【ロサンゼルス=佐藤浩実】米映画界最大の祭典である第94回アカデミー賞の授賞式が27日(日本時間28日)にハリウッドで開かれ、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を受賞した。日本映画が同賞に輝くのは「おくりびと」以来13年ぶり。国内外の映画賞を受けてきた濱口監督はついにオスカーを手にした。
「ドライブ・マイ・カー」は妻を亡くした演出家・俳優の主人公(西島秀俊さん)が専属運転手となった女性(三浦透子さん)などとの交流を通じて自身を見つめ直す物語だ。村上春樹さんの短編小説が原作で、多言語劇など映画独自の題材も取り入れている。約3時間に及ぶ長編だが、批評家を中心に高い評価を得ていた。

国際長編映画賞はアフガニスタンからの脱出をはかる青年を描いたアニメーション映画「FLEE フリー」(デンマーク)、村に赴任した教師と子供たちの交流を描いた「ブータン 山の教室」(ブータン)などと5作品で競った。その中でも「ドライブ・マイ・カー」の受賞が本命視されていた。
同賞は19年の授賞式まで外国語映画賞と呼ばれていた。日本映画では09年(第81回)に滝田洋二郎監督の「おくりびと」が受賞している。19年(第91回)には是枝裕和監督の「万引き家族」が候補に入ったが、受賞は逃した。
アカデミー賞のうち最も注目を集める作品賞にはシアン・ヘダー監督の「コーダ あいのうた」が選ばれた。監督賞は女性で3人目となる「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のジェーン・カンピオン監督に決まった。
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