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トランプ氏、元側近に恩赦連発 自身・家族に付与焦点

トランプ米大統領は自身を恩赦する権限があると主張したことがある=AP

トランプ米大統領は22日、15人に恩赦を与え、5人を減刑したと発表した。2016年の大統領選でトランプ氏を支えたり、熱狂的に支持したりした元側近が含まれる。今後は任期が1カ月を切ったトランプ氏が自身や家族へ予防的な恩赦に踏み切るかが焦点になる。

恩赦の対象には、16年の大統領選でトランプ氏の外交顧問を務めたジョージ・パパドプロス氏やトランプ氏の選挙陣営と近い関係にあったオランダ人弁護士のアレックス・バンデルズワン氏が含まれる。ともにロシア疑惑の捜査で起訴された。

トランプ氏は11月下旬、ロシア疑惑で起訴されたトランプ政権の元大統領補佐官(国家安全保障担当)であるマイケル・フリン氏への恩赦を表明したばかりだ。トランプ氏はロシア疑惑を「魔女狩りだ」と強く主張してきた。一連の恩赦は元側近への捜査が不当だったと米国民にアピールする思惑がありそうだ。

22日には元共和党下院議員のクリス・コリンズ、ダンカン・ハンター両氏に恩赦を与えた。16年の大統領選でトランプ氏を早期に支持し、近い関係を築いていた。コリンズ氏はインサイダー取引への関与、ハンター氏は選挙資金にからむ違法行為によってそれぞれ有罪判決を下されていた。

米メディアによると、トランプ氏は21年1月20日の任期切れを前に自身や家族に対する「予防的恩赦」を検討している。現時点で起訴されたり、有罪判決を下されたりはしていないが、万一の場合に備えた手段と位置付ける。司法省には原則、現職大統領を起訴しない内部指針があり、トランプ氏は任期を終えると、この効力がなくなる。

予防的恩赦には前例がある。フォード元大統領はウォーターゲート事件をきっかけに辞任した前任のニクソン氏に恩赦を与えた。ニクソン氏は辞任後、起訴される可能性が高いとみられていた。

フォード氏は恩赦の理由に関し「大きな政治論争につながったウォーターゲート事件を引きずるほど、国の結束を保てなくなるため」と説明したが、議会やメディアからは強い反発が出た。トランプ政権下で米社会の分断が進んでおり、トランプ氏が家族に恩赦を与えれば「身内優遇」との批判が相次ぐのは確実だ。

大統領本人への恩赦は前例がなく、専門家の間でも有効性に関する見解が割れている。合衆国憲法は恩赦の対象外として、議会による弾劾訴追を挙げている。大統領本人への恩赦を対象外とは明記しておらず、可能との解釈がある。

一方で恩赦は他人に付与するものというのが一般的な解釈で、大統領が自身には与えられないとの見方もある。トランプ氏が自身に恩赦を与えれば取り消しを求める訴訟が起きる可能性が高い。

もっとも、大統領権限で恩赦を与えるケースは連邦法違反に限られ、州法違反は対象外だ。東部ニューヨーク州ではトランプ氏の資金取引などを巡る捜査が続いている。トランプ氏が自身や家族に予防的に恩赦を与えても、州の司法当局によって起訴され、実刑判決を受ける可能性が残る。

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