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テスラ出身者の新興EV、SPAC上場へ 企業価値2.5兆円

ルーシッド初の市販車「エア」(企業提供)

【ニューヨーク=宮本岳則】米テスラの元幹部らが設立した新興の電気自動車(EV)メーカー、米ルーシッドモーターズは22日、特別買収目的会社「SPAC」との合併で株式を公開すると発表した。合併時の企業価値は240億ドル(約2兆5000億円)となり、日産自動車の時価総額を上回る。投資マネーが高い成長を求めてEV業界に集中する構図が鮮明になった。

ルーシッドはテスラ元幹部のバーナード・ツェ氏らが2007年に設立した車載電池メーカーが母体で、16年ごろからEVの開発に乗り出した。19年にテスラでモデルSの開発を指揮したピーター・ローリンソン氏が最高経営責任者(CEO)に就いた。過去にサウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)から10億ドル超の出資を受けた。三井物産も出資者の一社だ。

今回の上場はSPACとの合併を通じて行う。SPACとは有力企業の買収のみを目的とした上場会社で、上場時は事業実態がない。合併後は買収先企業が存続会社となり、公開企業となる。20年からSPAC設立ブームが始まり、足元で約400社が上場する。通常の新規株式公開(IPO)に比べて上場までの準備期間が短くて済むことから、SPAC経由の株式公開を選ぶ新興企業が増えてきた。

ルーシッドはニューヨーク証券取引所に上場するSPAC「チャーチル・キャピタルIV」と合併する。株主の承認を得た上で、21年4~6月期中の合併完了を目指す。合併時にはサウジのPIFに加え、米資産運用大手ブラックロックやフィデリティ・マネジメント&リサーチなどが追加出資に応じる。ルーシッドはSPACの合併先として過去最大だ。

ルーシッドが22日公表した資料によると、同社は21年下半期から米西部アリゾナ州の工場で生産を始め、最初の納車を見込む。25年に年間13万5000台の生産を見込み、EBIT(利払い・税引き前利益)ベースで黒字に転換する見通しだ。初の市販車「エア」は6万9900ドルからで、独BMWや独ダイムラーのメルセデス・ベンツといった高級車メーカーと競合する。

米株式市場ではEVメーカーにマネーが集まっている。テスラの時価総額は6800億ドルを超え、トヨタ自動車の約3倍の水準だ。バイデン政権のEV振興策が追い風になるとの見方から、SPACや投資家は「第2のテスラ」探しに力を入れる。著名自動車デザイナーが創業したフィスカーやEVトラックのニコラなどSPAC経由で上場を果たした企業も多い。株式公開時の売上高がほぼゼロにもかかわらず、期待先行で株価がついており、過熱感を指摘する声もある。

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