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米国防長官、比大統領と会談へ 軍事協定存続を直接協議

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東南アジアを歴訪するオースティン米国防長官=AP

【ワシントン=中村亮、マニラ=志賀優一】オースティン米国防長官は23日、東南アジア歴訪へ出発する。フィリピンでは米国と距離を置くドゥテルテ大統領と会談する見通しで、同盟関係の土台である軍事協定の存続について直接協議する。両国の関係修復は、対中国包囲網の構築を目指すバイデン政権の戦略の試金石にもなる。

オースティン氏はシンガポールとベトナム、フィリピンを回る。オースティン氏は21日の記者会見で歴訪を通じて「米国が信頼できるパートナーであることを示す」と強調した。南シナ海の実効支配を着々と進める中国をめぐり「新たな形の侵攻や抑圧に対し、我々の能力をどのように近代化するかについて各国と協議する」と説明し、防衛協力の強化に意欲を示した。

27日にはシンガポールで英国の国際戦略研究所(IISS)が主催するイベントで、インド太平洋戦略について演説する。

歴訪の焦点はフィリピンとの同盟修復だ。ドゥテルテ氏は2020年2月、米国と結んでいる「訪問軍地位協定(VFA)」を一方的に破棄する方針を示した。VFAは米兵のフィリピン国内での法的地位を定めた取り決めで、破棄すれば軍事同盟の維持が困難になるとの見方が多い。

両国は交渉を重ねてきたものの最終決定の先送りが続く。仮に破棄すれば南シナ海をめぐり中国に対する抑止力が低下することにもなる。ドゥテルテ氏は反米姿勢を示しており、米国が望むVFA存続には同氏の説得がカギになる。

フィリピンのホセ・マヌエル・ロムアルデス駐米大使は日本経済新聞のインタビューで、ドゥテルテ氏がオースティン氏と会談すると明らかにした。

フィリピンのホセ・マヌエル・ロムアルデス駐米大使は「経済面で中国と協力を目指す」と語った(20日、ワシントン)

VFA存続に向けて「(事務レベルで)米国といくつかの合意に達しており、ドゥテルテ大統領に提示した」と説明した。ドゥテルテ氏はVFAをめぐり罪を犯した米兵の扱いなどに関する規定が不公平だと不満を持っているとされ、米国がドゥテルテ氏の要望に応じている可能性がある。

ロムアルデス氏は「仮にVFAについて問題が残るとしてもそれはささいなものであると確信している」と語り、VFA存続に楽観的な見方を示した。会談を通じ「米国とフィリピンの関係が強力かつ安定的であることを示す」とも述べた。

ドゥテルテ氏自身がVFAを巡り米側と交渉に意欲を示していることから、ロレンザーナ比国防相も21日「ドゥテルテ氏のもとで(VFA存続が)サインされると信じ、自信も抱いている」と発言した。

ドゥテルテ政権は中国との良好な関係も目指している。ロムアルデス氏は南シナ海の領有権をめぐって中国と多くの対立点があると指摘しつつ「だれも衝突を望んでいない」と述べた。バイデン米大統領が対立関係にあるロシアのプーチン大統領と会談したことを引き合いに「各国は他国と対話する方策を探っている」と語り、フィリピンも中国との対話を続けていくとした。「特に経済面で中国と協力を目指す」と述べた。

オースティン氏はバイデン政権で東南アジアを訪れる初めての主要閣僚となる。バイデン政権は発足後6カ月間で欧州のほか、日本や韓国、インドとの関係修復に注力し、東南アジア外交は後回しになっていた。米国家安全保障会議(NSC)のカート・キャンベル・インド太平洋調整官は7月上旬、米シンクタンクのイベントで「効果的なアジア戦略を実行するために東南アジアでやるべきことがたくさんある」と語った。

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