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エヌビディア、仮想空間の開発 端末問わず可能に

【シリコンバレー=佐藤浩実】米エヌビディアは22日、仮想空間の開発基盤「オムニバース」をクラウド経由で利用できるようにする方針を明らかにした。高性能の画像処理半導体(GPU)を搭載したパソコンがなくても、一部のサービスを扱えるようにする。都市設計や生産ラインの検証などに使われてきた仮想空間の活用の裾野が広がる可能性がある。

22日に開いた技術者向けイベントで、ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が新サービス「オムニバースクラウド」の構想を示した。これまで同社の開発基盤を使うには「RTX」と呼ぶGPUを搭載したコンピューターが必要だったが、性能の低いパソコンやタブレット端末でも3次元モデルを作成したり、シミュレーションの様子を確認したりできるようにする。

オムニバースは仮想空間を構築するための基盤となるソフトで、主に現実世界を再現する「デジタルツイン」と呼ぶ用途で使われている。開発中の新サービスでは同社のクラウドゲームと同じ技術を使って画像生成をデータセンター側で担うことで、利用できる端末の制約を減らす。一般提供の時期や料金といった詳細は未定という。

日本経済新聞などの取材に応じたリチャード・ケリス副社長は「最終的には(端末性能を絞った)クロームブックや(米アップルの)Mac、タブレットなど様々な端末からオムニバースで他のユーザーと共同作業ができるようになる」と話した。オムニバースのソフトは約15万回ダウンロードされており、端末の制約を取り除くことで利用が広がる可能性がある。

エヌビディアは2021年11月に、企業向けにオムニバースの本格提供を始めた。仮想空間であらかじめ実験や検証ができるため、工場の生産ラインの改良やビルの設計に役立てる企業が増えている。

最近の事例として、米アマゾン・ドット・コムが物流センターの設計に役立てていると紹介した。アマゾンは様々なCAD(コンピューターによる設計)ソフトで作成したデータをオムニバースに取り込み、倉庫のレイアウトや施設内で使うロボットの動作検証などに利用しているという。

アマゾン・ロボティクスの担当者は「倉庫設計の最適化やロボットをより賢くするための学習、オペレーションの効率化が可能になる」と指摘した。このほか、米飲料大手のペプシコも配送センターの設計などにオムニバースを活用している。

ファン氏は22日の講演で「オムニバースは仮想世界のシミュレーションエンジンとなる」と話し、20年を超すグラフィックスや人工知能(AI)の研究が役立っていると説明した。エヌビディアはソフトウエアやサービス事業を育てる方針を打ち出しており、オムニバースの利用拡大に力を入れている。

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