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9月の景況感、米欧で減速鮮明に 米は1年ぶり低水準

(更新)

【ニューヨーク=大島有美子】英IHSマークイットが23日発表した9月の購買担当者景気指数(PMI、総合)の速報値は米国で54.5となり、8月より0.9ポイント下がった。4カ月連続の低下で、1年ぶりの低水準となった。製造業、サービス業の活動指数はともに前月比で下落した。新型コロナウイルスの感染拡大による需要の鈍化と、人手不足などの供給制約がともに景況感に影を落としている。

IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン氏は「米国経済の成長ペースは鈍化してきた。サービス分野の需要が冷え込み、需要が底堅い製造業では供給制約に直面している」と指摘した。

総合指数は経済再開で過去最高となった5月(68.7)以降、4カ月連続で下がった。製造業は前月より0.6ポイント低い60.5、サービス業は同0.7ポイント低い54.4となった。いずれも好不調の境目である50は上回るものの、「多くの指標がここ数カ月で冷え込み、勢いを失っている」(JPモルガン・チェースのダニエル・シルバー氏)。

製造業は5カ月ぶりの低水準だった。需要は強く、新規受注や輸出は好調という。だが原材料不足など供給制約が生産を鈍らせ、物流の滞りで納品までの期間も長引いている。調査した多くの企業が労働者の確保や既にいる従業員の維持の難しさを指摘し、賃金を引き上げて採用していると報告した。

サービス業ではコロナのデルタ型の感染拡大が重荷となり、1年2カ月ぶりの低水準となった。人手確保に伴う賃上げでコストが上昇しており、複数の企業は顧客に提供するサービスの価格転嫁を検討していると報告した。

ユーロ圏も急落、5カ月ぶり低水準


【ベルリン=石川潤】ユーロ圏の景気回復にブレーキが掛かりつつある。英IHSマークイットが23日公表した9月の購買担当者景気指数(PMI、総合、速報値)は56.1で、8月の59.0から急落して5カ月ぶりの低水準となった。経済再開による需要増の一服やサプライチェーン(供給網)の制約、新型コロナウイルスの感染拡大への不安が重なったことが原因だ。

サービス業は56.3で8月と比べて2.7ポイント低下、製造業は58.7も同じく2.7ポイント低下した。好不況の分かれ目とされる50は依然として上回っているが、回復の勢いは衰えつつある。IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン氏は「価格や供給面の逆風が緩和の兆しを見せなければ、今後数カ月は成長がさらに弱まりそうだ」と警戒を示した。
企業は供給の遅れや不足、価格上昇に悩まされている。サプライチェーンの混乱によって、企業の調達コストはこの21年でもっとも速いペースで上昇しているという。製造業だけでなく、サービス業にも影響が広がりつつある。

国別では、ドイツのPMIが2月以来の水準に落ち込んだ。フランスも4月以来の低水準だ。ドイツでは8月の乗用車生産が前年同月比で32%減少するなど、半導体などの供給制約の影響が深刻になっている。今後、電力料金の値上がりなどがさらに追い打ちをかける可能性もある。

欧州中央銀行(ECB)は9日の理事会で、債券の買い入れペースの縮小を決めた。さらに新型コロナ対策で導入した緊急買い取り制度の存廃の議論を年末にかけて本格化させる見通しだが、景気回復の勢いがさらに衰えれば、緩和縮小の行方にも響きかねない。

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