USTR代表、対中関税「重要な交渉材料」 引き下げ慎重

【ワシントン=鳳山太成】米通商代表部(USTR)のタイ代表は22日、中国製品に課している制裁関税について「重要なレバレッジ(てこ)の一部だ」と述べ、中国に譲歩を促すための交渉カードだとの認識を示した。バイデン政権が検討している対中関税の引き下げに改めて慎重な姿勢をみせた。
議会上院の公聴会で証言した。タイ氏は「貿易交渉の担当者は決してレバレッジを手放さない」と指摘し、中国に不公正な貿易慣行をやめさせるために制裁関税を維持する重要性を説いた。
バイデン米政権は約40年ぶりの高インフレを抑えるため、対中関税の引き下げを検討している。USTRが法律に基づいて関税の見直し作業を進めているが、タイ氏は「バイデン大統領がまだ決めていない」と語り、大統領の決断次第になると明らかにした。
バイデン政権内では対中関税の扱いを巡って意見が分かれている。タイ氏は中国に圧力を保つために関税を維持すべきだとの立場だ。イエレン米財務長官はインフレ対策を優先して消費財の対中関税を下げるべきだと唱えている。

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