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米司法省、ウォルマートを提訴 オピオイド中毒問題で

(更新)
司法省はオピオイド中毒をめぐり、ウォルマートが乱用を防ぐ責任を果たさなかったと主張している=ロイター

【ニューヨーク=白岩ひおな】米司法省は22日、医療用麻薬「オピオイド」を含む鎮痛剤の中毒問題をめぐり、薬物の製造・乱用を取り締まる「規制物質法」に違反したとして米小売り最大手ウォルマートをデラウェア州の連邦地裁に提訴した。違法な処方箋の調剤を通じて、オピオイド中毒のまん延を助長したと非難した。

訴状では、全国で薬局を展開するウォルマートが規制薬物の違法な使用を防ぐ責任を果たさず、無効な処方箋に基づいて調剤するよう従業員に圧力をかけたと主張。薬剤師は拒否できず、違法な調剤・配布を通じて全国的に薬物乱用が広まったとした。規制薬物の疑わしい処方箋について麻薬取締局(DEA)への報告を怠ったとも指摘した。

司法省はウォルマートに対し、民事制裁金の支払いと販売差し止めによる救済を求めている。違法な処方箋による調剤ごとに最大6万7627ドル(約700万円)、報告を怠るごとに最大1万5691ドルを支払わなければならないとした。制裁金は合計で数十億ドルに上る可能性がある。提訴を受け、ウォルマートの株価は一時1.9%下落した。

一方、ウォルマートは22日の声明で「薬剤師に処方箋に問題のあるオピオイドの調剤を拒否する権限を与え、実際に数十万件を拒否してきた」と反論。医師によるオピオイドの処方自体を防げなかった連邦政府の責任を企業に転嫁していると批判した。

同社はすでに司法省からの提訴に先立ち、10月22日に司法省と麻薬取締局をテキサス州東部地区の連邦地裁に提訴した。薬局や薬剤師の法的責任の明確化などを求めており「薬剤師を支え、守るために法廷での戦いを続ける」と強調した。

1990年代に売り出されたオピオイド系鎮痛剤は、乱用による中毒の増加が社会問題となっている。米疾病対策センター(CDC)によると、米国では99~2018年にオピオイド中毒で45万人が死亡した。

販売や流通手法をめぐって製薬各社の責任を問う集団訴訟も起きており、多額の和解金や制裁金が発生している。積極的な販売を手がけていたとされ、数千件の訴訟を抱えたパーデュー・ファーマの破綻にもつながった。同社は10月、米司法省に製薬会社として過去最大の80億ドル以上の和解金を支払うことに同意した。

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