米紙ワシントン・ポスト、速報強化 アジア拠点はソウル

【ニューヨーク=清水石珠実】米大手紙ワシントン・ポストが2021年に速報体制と海外報道を強化することが22日までに分かった。欧州とアジアにも各地域の速報ニュースを集約する拠点を設け、世界各地のニュースを24時間体制で配信できる体制を整える。欧州の拠点はロンドン、アジアはソウルに置く。
さらに海外報道の強化のために、豪シドニーと南米コロンビアのボゴタにも支局を開設する。海外拠点は合計26に増える。また、欧州では紛争担当の記者をすでに増員したという。
ロンドンとソウルに開設する速報拠点では、それぞれ速報ニュース専属の記者を4人、エディターを2人配置するほか、ビジュアル担当者なども置く。2拠点で合計19人の増員を想定している。
同紙は2013年に米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が買収した。積極的なデジタル投資が奏功して読者を増やし、米メディア報道によると、電子版購読者数は3百万人に近づいているという。編集体制を強化できる背景には、こうした堅調な業績がある。
米有力紙ではニューヨーク・タイムズが7月、香港の政情不安を受けて、デジタル報道部門のアジア拠点をソウルに移す計画を明らかにしている。