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NBA選手のチベット巡る発言が波紋 中国側は反発 

【ニューヨーク=山内菜穂子】米プロバスケットボールNBA選手の中国のチベット問題に関する発言が波紋を広げている。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席を「残忍な独裁者」と批判する内容で中国側は猛反発している。表現の自由と巨大な中国市場でのビジネス展開をめぐりNBAは苦しい立場に追い込まれている。

「チベットはチベット人のものだ。中国の独裁政権はチベット人のアイデンティティーと文化を消し去っている」。ボストン・セルティックスに所属するエネス・カンター選手は20日、画像共有アプリ「インスタグラム」などに3分近い動画を投稿した。

21日には「FREE TIBET(チベットに自由を)」と描かれたスニーカーの写真とともに、「私はチベット人とともに立ち上がる」と投稿した。22日にも同様の内容の動画を投稿した。

中国側は早速、反発している。中国外務省の汪文斌副報道局長は21日の記者会見で「この選手はチベット問題を持ち出して注目を集めようとたくらんでいる」と批判。「チベットを含む各民族は中国共産党の指導の下、後進から進歩へ、貧困から富裕へと歴史的な成績をおさめた。チベットは中国の一部だ」と強調した。

米CNNなどよると、中国ネット大手の騰訊控股(テンセント)はボストン・セルティックスの試合のインターネット配信を取りやめた。今後も配信しないことを示唆しているという。中国版ツイッター、微博(ウェイボ)にも同選手を批判する書き込みが相次いだ。

中国でのバスケットボールの人気は高く、NBAの観戦者数は8億人いるとされる。中国の巨大市場は米国のスポーツビジネスにとって切り離せない存在だ。一方、米国ではチベットや少数民族ウイグル族の人権侵害、香港の民主派の弾圧などに批判が強まっており、企業が立ち位置に苦慮する場面が増えている。

NBAには苦い経験がある。NBAのヒューストン・ロケッツの幹部が2019年、香港の抗議デモを支持する内容をSNS(交流サイト)に投稿。中国国営中央テレビ(CCTV)が試合の放送を中止し、不買運動が起きた。

NBAは幹部の発言を「不適切」とし、幹部も謝罪した。この対応をめぐり、人権よりも利益を優先したとして米国内から批判を浴びた。

近年は米国の若者層を中心に社会的な正義を重視し、発言する傾向が強まっている。今回のカンター選手の発言は、米国が伝統的に重んじる「表現の自由」にかかわるだけに、NBAがどう対応するか注目が集まっている。

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