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米上院、イエレン氏の財務長官人事承認 初の女性起用

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【ワシントン=河浪武史】米上院は25日、ジャネット・イエレン前米連邦準備理事会(FRB)議長(74)が財務長官に就く人事を、超党派の賛成多数で承認した。同ポストとしては初の女性の登用で、宣誓式を経て26日にも正式就任する。新型コロナウイルスによる経済危機からの脱却へ、1.9兆ドル(約200兆円)の財政出動が最初の課題となる。

上院は84対15の賛成多数でイエレン氏の人事を承認した。米財務省発足から約230年の歴史の中で、同氏が初の女性長官となる。同氏は2014年から4年間、女性として初めてFRB議長も務めた。景気回復と格差是正の両立を目指すバイデン体制にとって、イエレン氏の登用は目玉人事となる。

喫緊の課題は、追加の財政出動だ。バイデン氏は1.9兆ドルの財政出動案を公表しており、1人最大1400ドルを支給する家計救済策など具体策も示している。イエレン氏も19日の上院委公聴会で、新型コロナ危機からの早期脱却へ「大きな行動が必要になる」と主張し、議会に迅速な財政出動を求めている。

米議会は与野党で追加対策を巡る温度差がにじむ。上院はトランプ前大統領の弾劾裁判を2月8日以降に先延ばしし、追加経済対策の審議を優先する。同院で関連法案を早期に可決するには、議事妨害を回避できる60票が必要で、共和党から少なくとも10人の賛同を得る必要がある。

ただ、共和党側は対策規模が過大すぎるとして経済対策の修正を求める。バイデン氏の1.9兆ドルの対策案には、共和党の反対が強い州・地方政府への財政支援や、最低賃金の引き上げなどが盛り込まれており、超党派合意に向けて修正協議が不可欠だ。イエレン氏は早々に議会調整という政治手腕を問われることになる。

市場はイエレン氏の基軸通貨ドルへの姿勢も注視する。同氏は公聴会で「米国は競争的な通貨切り下げを志向しない」と述べ、トランプ前大統領が繰り出したドル安誘導とは距離を置いた。「為替レートは市場が決めるものだ」と主張し、貿易相手国に対しても「通貨安誘導は決して容認できるものではない」とけん制した。

バイデン体制は、経済格差の是正へ大企業や富裕層への増税も視野に入れる。イエレン氏は公聴会で「富裕層が資産を蓄積する一方で、労働者層の家計は一段と悪化した」と指摘。企業と富裕層に対して「公平に税を負担することが重要だ」と主張した。

FRB議長経験者が政権中枢に転じた例は過去にもある。1979年に当時のミラー議長がそのまま財務長官に横滑りした。80年代の「インフレ退治」で知られたボルカー元議長も、オバマ政権時代にホワイトハウス入りし、金融危機で傷んだ銀行システムの改革役を担った。

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