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米、検査拡充で学校「対面」継続 子どもの感染増に対応

(更新)
米西部カリフォルニア州で8月、登校前に新型コロナウイルスの検査を受ける生徒=ロイター

【ニューヨーク=山内菜穂子】米国の学校で新型コロナウイルスの検査の拡充により対面授業を継続する動きが広がってきた。クラスに陽性者が出れば学級閉鎖する方針を転換し、検査を増やして他の生徒の出席を認める。対面授業を続けることで子どもや働く親への影響を最小限に抑えるねらいがある。

全米で最大規模の学区のニューヨーク市は9月27日から、生徒や教職員への抜き打ち検査の頻度を増やした。現在、隔週で実施している検査を毎週にする。あわせてクラスで陽性者が出た場合の隔離や学級閉鎖などのルールも変える。

マスクを着用し、陽性者と3フィート(約90センチメートル)離れていれば、ワクチン未接種の生徒でも引き続き登校できるようにする。学級閉鎖はしない。

「目標は2つ。学校の安全と、毎日学校に通う子どもの数を最大にすることだ」。デブラシオ市長は強調する。新学期が始まった9月13日以降、学級閉鎖したクラスは市内で1000超。学校内での感染拡大状況などを市の専門チームが分析し、方針転換を決めた。

マスクの着用を求め、生徒に消毒液を使うように指導する東部マサチューセッツ州の学校(9月15日)=ロイター

検査を増やし、できるだけ生徒が対面授業に参加できるようにする――。こんな取り組みを採用する学校が増えつつある。先駆けとなったのは中西部ユタ州の一部の学校が昨年冬から今春にかけて実施した「Test to Stay」プログラムだ。

学校内で陽性者が複数人出た場合もオンライン授業に全面移行せず、生徒は検査で陰性が証明できれば対面授業に参加した。それでも校内の検査の陽性率を低く抑えることができたという。

東部マサチューセッツ州なども同様の取り組みを始めた。濃厚接触者となった生徒は無症状で、7日間にわたって毎日の検査で陰性を確認できれば出席できる。生徒にはマスクの常時着用も求める。

「コロナとの付き合い方を考えるうえで、(試合の流れを一気に変える)ゲームチェンジャーになるだろう」。同様のプログラムを導入した中西部オハイオ州のレバノン市学区長、アイザック・シーバー氏は期待する。

同学区は9月上旬、2割超の生徒がコロナに罹患(りかん)または隔離の対象となり、3日間の休校に追い込まれた。シーバー氏は「いかに健康な生徒を学校に残し、体調の悪い生徒を帰宅させるか。多くの保護者は新しいプログラムを歓迎している」と語る。

この取り組みに期待が高まるのは、コロナ禍が長期にわたり、子どもや親への負担が大きくなっているためだ。

多くの学校は学級閉鎖や休校でオンライン授業を提供するが、家庭環境によっては自宅での学習が困難な子どももいる。子どもが登校できなければ、親が仕事を休んで見守る必要も出てくる。実際、コロナ禍で多くの親が離職に追い込まれた。

米国での子どものコロナ感染者数は依然として高い水準にある。米国小児科学会(AAP)の調査によると、9月23日までの1週間で子どもの感染者は20万人を超えた。過去5番目の多さだった。感染力の強いデルタ型の広まりと新学期の学校再開によるものとみられている。

米食品医薬品局(FDA)元長官のスコット・ゴットリーブ氏は「学校は症状がある生徒を重視して対策をとっているが、感染しても無症状の生徒も多く、感染拡大につながる」と指摘する。このため「週1回の検査は子どもを教室に残すための重要なツールになる」と語る。

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