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在宅勤務を潰す「生産性パラノイア」 Microsoft指摘

管理職の85%、従業員の働きぶりに不安

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【シリコンバレー=佐藤浩実】新型コロナウイルス禍で定着したハイブリッド勤務で、従業員が効率的に働いているか確信を持ちにくくなった――。米マイクロソフトが22日に公表した調査で、主要国の企業管理職の85%がこんな不安を抱いていることが明らかになった。従業員の働きぶりを過度に心配する「生産性パラノイア」が古い働き方への回帰や人材流出を生む要因になっていると指摘する。

日本や米国など11カ国で計2万人に実施した調査を公開した。在宅勤務と出社を組み合わせるハイブリッド勤務を採用している企業の管理職では、54%が「部下の仕事ぶりが見えない」と答えている。出社を前提とする企業の38%を大きく上回り、マイクロソフトの調査担当者は「多くのリーダーが(コロナ禍前の)2019年のオフィスライフに憧れを抱いている」と分析する。

一方で、9割近い従業員は自身の仕事ぶりを「生産的だ」ととらえている。「Teams」などの使用実態を見ても、残業や週末の勤務は新型コロナの感染が広がった20年以降増え続けているという。ビデオ会議中に別のプロジェクトのメールやチャットを返すなど、複数の業務を並行してこなしている人も4割を超える。

従業員が業務に集中しているかを過度に心配する管理職の動きを、マイクロソフトは「生産性パラノイア」と呼ぶ。新型コロナの影響が薄れるなかで多くの企業が従業員に出勤を呼びかけているが、監視に重点を置くなど手法を誤った場合、過去2年間で加速した柔軟な働き方を「持続不可能にする恐れがある」と懸念する。離職を招く要因にもなる。

労使の意識の分断を生む一因として、仕事の進め方やストレスなどに関する従業員への聞き取り不足を挙げた。調査によれば、年に1回以上は職場環境の改善のために従業員が意見を述べる機会があると答えた人は全体の43%で、半数に満たなかった。日本に限るとさらに低く、27%にとどまっている。

米国では「オフィス回帰のXデー」とされたレイバーデー(労働者の日、9月5日)を過ぎても、主要都市のオフィスワーカーの出社率は5割に届いていない。チームメンバーとの交流など、出社に際し「会社の意向」を上回る理由を求める従業員は7割を超える。

22日に英ロンドンで開いた座談会で、サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は「従業員は会社の方針のためではなく、他の人と交わるために出社する」と指摘した。経営層の意識改革が必要になるという。

マイクロソフトは定期的に世界で働き方の動向を調べている。調査を踏まえ、業務用ソフトに職場の交流を促す機能などを加える。

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