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NYダウ一時320ドル高、パウエルFRB議長の再任発表で

(更新)

【ニューヨーク=斉藤雄太】バイデン米大統領が米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長を再任する方針を発表したことを受け、22日の米株式相場は上昇して始まった。ダウ工業株30種平均は一時、前週末比320ドル高の3万5922ドルを付けた。新型コロナウイルス対応の金融緩和を迅速に進め、足元ではインフレ懸念から緩和修正にかじを切り始めたパウエル氏が続投することで、金融政策の継続性や予見可能性が高まるとの見方が浮上。投資家の安心感が広がり、株買いが進んだ。

パウエル氏のFRB議長1期目の任期は2022年2月までで、市場では後任にブレイナードFRB理事が昇格するとの観測も出ていた。バイデン大統領はブレイナード氏をFRBの副議長に指名する意向もあわせて表明した。議長人事を巡る不透明感が晴れたことも株高を誘った。

米国債市場ではパウエル議長の再任発表後に金利が上昇(債券価格は下落)し、長期金利の指標になる10年物国債利回りは一時1.6%台を付ける場面があった。外国為替市場ではドルが買われ、円相場は一時、1ドル=114円70銭台と再任発表前から50銭ほど円安・ドル高が進んだ。

FRBは新型コロナの感染が急速に広がった20年春以降、経済を支えるためにゼロ金利政策や量的緩和政策を相次いで再開した。迅速な政策対応を市場は好感し、米株式相場は昨年から上昇基調をたどってきた。

今春以降はワクチンの普及に伴う景気の回復に加え、物流の停滞や人手不足といった供給制約が急激な物価上昇を招いている。このためFRBは3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和の縮小(テーパリング)開始を決め、国債などの資産購入額を段階的に減らし始めている。株高を支えてきた金融緩和の効力は徐々に弱まることになるが、パウエル議長はテーパリングの可能性を徐々に市場に織り込ませることで、今のところ市場の大きな混乱は起きていない。こうしたパウエル氏の対話力も市場では評価されている。

ただ、供給制約が早期に解消するめどは立っておらず、インフレの長期化が景気の減速を招くとの懸念は根強い。パウエル氏は来年半ばにかけて物価上昇率が徐々に落ち着くとの見方を示すものの、不確実性が高いことも認めている。

FRBは順調にいけば来年6月にテーパリングを終え、その後に利上げの時期を探る構えだが、市場ではインフレ加速でFRBがより早期の利上げに追い込まれるとの見方もある。米金利の急上昇や株価急落のリスクもくすぶり、パウエル氏は引き続き難しい政策運営と、市場との対話を迫られる。

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