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中銀デジタル通貨、開発加速 81カ国・地域が研究

(更新)
中国では市民も参加するデジタル人民元の実証実験が進む=ロイター

【ニューヨーク=後藤達也】中央銀行のデジタル通貨(CBDC)の開発が世界で広がっている。中国が実用化へ向け、実証実験を加速させているほか、慎重だった米国でも研究には着手している。米調査機関によれば開発にかかわった国や地域は81に達し、国内総生産(GDP)に占める比率は90%を超える。

米アトランティック・カウンシルによれば、中国や日本など14カ国がCBDCの実証実験を進めている。ユーロ圏など16カ国・地域は開発中で、米英など32カ国は研究段階にある。2020年以降、バハマなど小国の一部で試験発行する例も出ている。

中国では実証実験に2000万人以上の市民が参加している。人民元をデジタル人民元に換え、一部の店舗で決済にも対応している。22年にも正式に発行する方針だ。日銀は現時点でCBDCを発行する計画はないものの、4月に実証実験を始めた。

主要国では米国が慎重な姿勢を続けている。米連邦準備理事会(FRB)はサイバー攻撃のリスクや開発・運営に膨大なコストがかかる点を懸念している。ただ、中国で実用化が視野に入っており、米国内でも開発の遅れを懸念する声も出ている。FRBは9月にCBDCの論点を報告書としてまとめる予定だ。

CBDCはビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)と異なり、人民元や円といった中銀が発行する既存の通貨を裏付けとし、価値も安定しやすい。金融機関同士に取引にとどめるか、個人の買い物にまで広げるかなど、開発状況は国によって異なる。

CBDCは個人や企業の決済の利便性が高まったり、当局が国全体のお金の流れが把握しやすくなったりするといった利点が挙げられている。一方、サイバー攻撃のリスクや銀行経営など金融システムが不安定になる可能性も指摘されている。今後、主要国間でも開発・実用に大きな差が開けば、貿易や金融取引でこれまで基軸通貨の役割を果たしてきたドルの地位が揺らぐとの見方もある。

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