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米独、ガス計画めぐる対立に終止符 ウクライナ支援合意

バイデン米大統領(右)は7月中旬にドイツのメルケル首相をホワイトハウスに招いていた=AP

【ワシントン=中村亮】米国とドイツの両政府は21日、ドイツとロシアを結ぶパイプライン計画(ノルドストリーム2)に関する共同声明を発表した。米国が計画を事実上容認する一方、ロシアの影響力が増すと警戒するウクライナに対し、ドイツがエネルギー支援を行うことで合意した。米独は計画をめぐる長年の対立に終止符を打った。

ノルドストリーム2はバルト海を通って独ロを直接結ぶ全長1200キロメートルのガスパイプライン計画。ウクライナや東欧はロシアへのエネルギー依存度を高めればロシアがガス供給停止をちらつかせて欧州を威圧すると懸念してきた。

ロシアから欧州向けのガス供給をめぐっては、ウクライナを経由するパイプラインがある。ウクライナを迂回するノルドストリーム2によってロシアはドイツなどに対するガス供給を継続しつつ、ウクライナ向けのガスを停止しやすくなる。

ウクライナはエネルギー安全保障が脅かされると懸念してきた。ウクライナは自国のパイプラインを通るガスが減り、通過料収入が少なくなることも反対の理由に挙げてきた。

米独は共同声明で、2024年に期限が切れるウクライナとロシアのガス輸送協定を10年間延長することを支持すると表明した。ドイツはウクライナのエネルギー調達の多様化などに資金を支援する。

ロシアがウクライナ向けのガス供給を停止する場合に備え、ウクライナのロシアへのエネルギー依存度を下げる狙いがある。ロシアがガス供給停止を盾にウクライナへ圧力をかけた場合、ドイツが制裁措置を講じることでも合意した。

ドイツのメルケル首相は21日、ロシアのプーチン大統領と電話し、ノルドスリーム2について協議した。ガス供給をめぐりウクライナに圧力をかけないよう要求したとみられる。米ホワイトハウスは21日、バイデン大統領が8月30日にウクライナのゼレンスキー大統領とホワイトハウスで会談すると発表した。ロシアの脅威にさらされるウクライナへの支援を印象づける狙いがある。

歴代の米政権はノルドストリーム2に反対してきたが、バイデン氏は21日にケンタッキー州の空港で記者団に対し、ノルドストリーム2について「99%完成した」と指摘。制裁を科しても建設を阻止できないとの見方を強調した。バイデン氏は5月、ノルドストリーム2の事業会社やその最高経営責任者(CEO)に制裁を科さない方針を決めて建設完了を容認していたが、ドイツに対してウクライナや東欧の懸念を和らげる政策を講じるよう求めていた。

トランプ前政権下で米独同盟が揺らいだことを踏まえ、バイデン政権はドイツとの関係改善を重視している。バイデン氏は7月中旬には退任間際のドイツのメルケル氏を欧州首脳として初めてホワイトハウスに招いていた。欧州へのガス輸出拡大を目指すロシアに配慮し、米ロ関係の改善につなげる思惑も透ける。

ノルドストリーム2に対して米議会では反発が強い。バイデン氏が率いる与党・民主党のジャンヌ・シャヒーン上院議員は21日の声明で「米独合意によって欧州の同盟国を十分に安心させることができるとの確信は持てない」と懸念を示した。共和党のテッド・クルーズ上院議員も米国がノルドストリーム2の建設完了を認めることについて「プーチン氏の勝利であり、米国や同盟国にとって大惨事だ」と批判していた。

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