ボーイング機の部品落下、米当局が緊急点検を指示

【ニューヨーク=中山修志】米ユナイテッド航空が運航するボーイング機「777」でエンジン異常が発生し、米コロラド州の住宅地に部品が落下した問題で、米連邦航空局(FAA)は21日、同機と同じエンジンを搭載する航空機に対する緊急点検を指示した。異常の原因が明らかになるまで一部の航空機の運航が停止される見込みだ。
FAAのディクソン局長は同日の声明で「初期の調査の結果、ボーイング777のみに使用する固有のエンジンについて点検を行うことにする」と述べた。一部の機体はサービスから除外される可能性があるという。エンジン異常を起こしたユナイテッド航空328便は26年前に製造したボーイングの大型機「777-200型」を使用し、米プラット・アンド・ホイットニー製のエンジンを搭載していた。
ボーイングは「当局の調査に協力する。調査中は同じエンジンを搭載した777の運航を止めるよう推奨する」との声明を出した。
日本の国土交通省は21日、FAAに先立ち、同系列のエンジンを搭載する日本航空と全日本空輸の計32機の運航停止を指示した。
同便は20日正午(日本時間21日午前4時)すぎにコロラド州デンバーからハワイのホノルルに向かったが、離陸直後に右側エンジンに異常が発生しデンバーに引き返した。機体からエンジンの一部などが住宅地に落下したが、近隣住民や乗員・乗客にけが人はなかった。