米高官「ロシア、核使用兆候ない」 プーチン氏発言受け

【ワシントン=坂口幸裕】米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は21日、ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領が核兵器使用の可能性を示唆したことについて「無責任だ」と批判した。米国はロシアの動向を監視しており、現時点で核兵器を使う兆候は見られないと明らかにした。
米CNNテレビのインタビューで語った。プーチン大統領は21日、国営テレビを通じて演説し、ロシアが脅威にさらされる場合には「我々が保持するすべての手段を利用する」と述べた。「はったりではない」とも言及し、核兵器使用も辞さない姿勢を示した。
カービー氏は「プーチン氏のあらゆる脅しを真剣に受け止めている」と表明した。そのうえで「できる限り(ロシアを)監視している。米国の戦略的抑止態勢を変える必要があるような兆候は今のところ見られない」と話した。
ロシアは戦闘を継続するため30万人規模の予備役を動員する方針を明らかにした。カービー氏は「プーチン氏は戦況が劣勢で、ウクライナで成功を収めたとは言い難いとわかっている。ロシア軍が衰退し、補強する必要があると理解している証拠だ」と指摘した。
今後のロシアの行動に関して「プーチン氏はすぐに紛争を終わらせるつもりはなく、ウクライナでさらなる戦闘が起こるのは明らかだ」とも語り、ウクライナへの軍事支援を継続する必要性を強調した。
ブリンケン米国務長官は21日、ロシアの予備役動員に関する声明を発表し「戦場での苦戦や侵攻への支持のなさ、ロシア人の戦意喪失を反映したものだ」と指摘した。同盟国などとウクライナへの「揺るぎない支援」を継続するとも強調した。
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