米新聞大手トリビューン、ファンドの 買収を承認

【シカゴ=野毛洋子】米新聞大手トリビューン・パブリッシングは21日に開いた株主総会で、米ヘッジファンドのアルデン・グローバル・キャピタルが同社を総額6億3300万ドル(約690億円)で買収する提案を可決した。アルデンは6月末までに買収手続きを完了し、トリビューンを完全子会社化する。
可決には、既に全株式の32%を保有するアルデンを除く株主の3分の2以上の賛成が必要だった。
トリビューンは「シカゴ・トリビューン」など複数の有力地方紙を発行する。アルデンは買収した新聞社に大規模なリストラを実施し収益を上げる「ハゲタカファンド」として知られる。今年2月にトリビューンの企業価値を6億3千万ドルとし、1株当たり17.25ドルで買収する旨で同社と合意していた。
アルデンによる買収は地方新聞の報道の衰退を招くとの批判が出ていた。欧米の富豪が買収阻止に動いたほか、シカゴ・トリビューンの記者など労働組合メンバーらが株主に否決投票を呼びかけたが、成功しなかった。