/

Intelの7~9月、増収増益 部品不足でPC向けは減収

(更新)

【シリコンバレー=佐藤浩実】米インテルが21日発表した2021年7~9月期決算は売上高が前年同期比5%増の191億9200万ドル(約2兆1900億円)、純利益が同60%増の68億2300万ドルだった。5四半期ぶりの増収増益だが、顧客のパソコン(PC)メーカーで生じた部品不足や米アップルによる内製化の影響でノートPC向けの売り上げが減収に転じた。米国の補助金政策の遅れも影を落とす。

PC用のCPU(中央演算処理装置)を中心とする「クライアントコンピューティング部門」の売上高が2%減の96億6400万ドルとなった。QUICK・ファクトセットによると、同部門の減収は8四半期ぶり。なかでもノートPC向けの売上高が5%減少し、事業整理に伴って通信半導体の販売も減った。

ノートPC向けの停滞をもたらしたのは、広範な部品・部材にわたる供給不足や物流の混乱だ。米HPなどのPCメーカーは液晶部材やWi-Fi通信用の部品確保に苦戦しており、完成品を組み立てられないことでインテルのCPU販売にも影響を及ぼした。アップルが「Mac」に使う半導体をインテル製から自社開発品に切り替えたのも響いた。

データセンター部門でも「顧客の部品不足」の影響が生じている。同部門の売上高は10%増の64億9600万ドルとなったが、サーバー業界では電源やイーサネット関連の部品の供給が滞っている。「他の部品の制約がなければ、我々はもっとたくさん出荷できた」(パット・ゲルシンガー最高経営責任者=CEO)。

CPUの供給能力を業績に反映し切れない状況が続き、21日の米市場の時間外取引でインテル株は一時9%超下落した。10~12月期の売上高も前年同期比の4%減にあたる192億ドルにとどまる見通しだ。

2月に復帰したゲルシンガーCEOは2021年を「転換の年」と明言しており、アップルとの取引終了などに伴う停滞は一定程度は織り込み済みだ。就任後、米欧企業からの受注を念頭に置くファウンドリー(受託生産)事業への参入や、主力のCPUの製品計画の見直し、過去にインテルを離れた有力人材の呼び戻しなどを矢継ぎ早に進めてきた。

米の半導体支援法案、成立に遅れ

ただ、「転換」を成功させるための中長期の投資にも懸念がくすぶっている。

米バイデン政権は今春、米国の半導体産業強化のため、520億ドルの補助金を拠出する構想を打ち出した。インテルは呼応して、米南部アリゾナ州での2兆円規模の工場新設を表明。計画を3ヶ月前倒しして9月に着工し、米国経済と安全保障への貢献をアピールしてきた。だが、肝心の関連法案が成立に至っていない。

ゲルシンガー氏は「(政府支援があれば)米国でのさらなる拠点増設や新設を加速できる」と話す。裏を返せば、法案の成立遅れは将来の投資計画に逆風となる。ファウンドリー事業で競合となる台湾積体電路製造(TSMC)は日本政府の支援を前提に熊本県への工場新設を決めており、同氏は21日の決算会見でも「年内の法案成立を望む」と強調した。

インテルは22年の設備投資額を250億〜280億ドルと、21年から約5割積み増す計画を掲げる。20年代後半から本格的な収益貢献を見込むファウンドリー事業や、競争力の低下が目立ち始めたCPUの製品刷新への投資に充てるためだ。研究開発や設備投資額の拡大が続く半導体産業にとり、政府支援を取り込めるかどうかは成長戦略も左右する。政治との間合いはいっそう重要になる。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン