メキシコ、ペルー前大統領の家族受け入れ 弾劾受け亡命

【メキシコシティ=清水孝輔】メキシコのエブラルド外相は21日、南米ペルーのカスティジョ前大統領の家族がメキシコに到着したと発表した。カスティジョ氏がペルー議会の弾劾で失職したのを受け、家族のメキシコへの亡命を受け入れた。ペルー政府はメキシコの外交方針に反発し、駐ペルー・メキシコ大使の国外追放を決めた。
エブラルド氏は21日、自身のツイッターにカスティジョ氏の妻と2人の子供の写真を投稿し、メキシコシティの空港に到着したと明らかにした。メキシコ政府はカスティジョ氏についても亡命を受け入れる考えを示していた。カスティジョ氏はペルー国家警察に拘束されたため、国外に出られない状況にある。
メキシコのロペスオブラドール大統領は同じ左派政権のカスティジョ氏と関係が近かった。メキシコ政府はカスティジョ氏が失職した翌週にコロンビアとアルゼンチン、ボリビアの政府との共同書簡で同氏への支持を続ける考えを示した。メキシコ政府は副大統領から昇格したボルアルテ新大統領の正統性を現在も認めていない。
ペルー外務省はカスティジョ氏への支持を続けるメキシコに反発し、20日に駐ペルー・メキシコ大使のモンロイ氏に対して72時間以内に国外退去するように通告した。メキシコのロペスオブラドール大統領は21日、記者会見で「ペルー政府の決定は残念だ」と述べた。