米銀公聴会、JPモルガンCEO「不況回避の可能性小さい」 - 日本経済新聞
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米銀公聴会、JPモルガンCEO「不況回避の可能性小さい」

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【ニューヨーク=宮本岳則】米議会下院の金融サービス委員会は21日、米大手銀行の経営トップを集めた公聴会を開いた。与党・民主党と野党・共和党の両議員はインフレ高進が米経済に与える影響や消費者保護のあり方などについて質問した。出席したJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は不況回避の可能性は小さいと指摘した。

公聴会には米大手商業銀行のJPモルガン・チェースやシティグループバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)、ウェルズ・ファーゴの経営トップが顔をそろえた。大手地域金融機関からはPNCファイナンシャル・サービシズやUSバンコープ、トリスト・フィナンシャルの各トップが参加した。

米議会は11月に中間選挙を控えている。米民主・共和の議員からは有権者を意識した党派色の強い質問が目立った。焦点のひとつはインフレ高進と米景気だ。共和党は高インフレがバイデン政権の政策によってもたらされたと主張している。各銀行のトップは議員から見解を求められた。

JPモルガンのダイモン氏は、インフレを抑えつつ景気後退を回避する「ソフトランディング(軟着陸)」シナリオについて「可能性としては高くなく、実現の確率は小さい」と述べ、緩やかな景気後退や厳しい不況に陥る可能性を指摘した。ロシアのウクライナ侵攻で世界のエネルギー・食料供給に不確実性が生じているとして「政策当局者は最悪の事態に備えるべきだ」と主張した。

シティのジェーン・フレーザーCEOは「これからより厳しい局面がやってくる」と話した。米消費者は新型コロナウイルス下の政府支援策で「過剰貯蓄」状態とされる。ところがフレーザー氏は金利の上昇で信用力の低い人が苦しい立場に置かれると指摘したほか、家計の貯蓄率も低下すると述べた。

公聴会では共和党議員から仮に中国が台湾に侵攻した場合の対応を問う質問も出た。バンカメのブライアン・モイニハンCEOは「米国政府の指導に従う。政府が方針を変えたら我々も直ちに変える。(ウクライナに侵攻した)ロシアでの対応と同じだ」と語った。JPモルガンのダイモン氏ら他の経営トップも「米国政府の言うことに従う」と応じた。

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