仮想通貨、米採掘大手コアが破産法申請

【ニューヨーク=斉藤雄太】暗号資産(仮想通貨)のマイニング(採掘)大手の米コア・サイエンティフィックは21日、日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請したと発表した。仮想通貨相場の低迷や事業に使う電力料金の高騰などで収益が悪化していた。仮想通貨業界の経営環境の厳しさが改めて浮き彫りになった。
南部テキサス州の連邦破産裁判所に申請した。コア社の財務諸表によると、9月末の総資産は14億ドル(約1800億円)、総負債は13億ドルだった。法的整理による再建中も、つなぎ融資を受けて事業は継続する方針という。
米ナスダック上場のコア社はテキサスなど5つの州にデータセンターを構え、自社保有の計算機でのマイニングと、他人の計算機を預かってマイニングするサービスを手がけている。会社側の公表文では、チャプター11を申請した理由について「ビットコイン価格の長期的な下落、(マイニングで膨大に消費する)電力料金の上昇、一部顧客の支払い義務の不履行などで業績と流動性が悪化した」と説明した。
同社は7月に破綻した仮想通貨融資サービスのセルシウス・ネットワークからの支払いが滞り、同業他社との競争激化も相まって資金が枯渇。10月下旬には、最終的に法的整理にいたる可能性もあると公表していた。コア社の株価は2022年に入り、20日までに98%下げていた。
仮想通貨業界では交換業大手のFTXトレーディングや融資サービスのブロックファイなど、様々な業態で破綻が相次ぐ。1年前につけた最高値から7割以上下落したビットコインをはじめ、仮想通貨相場の低迷が続くなか、好況期に急成長した企業の先行き不安が広がっている。
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