米中国防相、5カ月ぶりに会談 衝突回避へ意思疎通図る - 日本経済新聞
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米中国防相、5カ月ぶりに会談 衝突回避へ意思疎通図る

(更新)

【ワシントン=中村亮】オースティン米国防長官と中国の魏鳳和国務委員兼国防相は22日、カンボジアで5カ月ぶりに会談した。オースティン氏は台湾海峡の平和と安定が重要だとの立場を重ねて伝え、軍事衝突の回避に向けて対話ルートの維持を訴えた。

オースティン氏と魏氏は23日の拡大東南アジア諸国連合(ASEAN)国防相会議に出席するためカンボジアを訪れている。

米国防総省の声明によると、オースティン氏は中国軍の航空機がインド太平洋地域で危険な行動をしていると非難した。「戦略的リスクを減らし、危機下の意思疎通を改善し、活動の安全を高めるための中身のある対話が重要だ」と言及した。

オースティン氏は弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の問題も取り上げた。中国に対して国連安全保障理事会で決めた北朝鮮に対する経済制裁を中国が完全に履行するよう求めた。ウクライナ侵攻を続けるロシアについては核兵器を使うべきではないと主張した。

中国国防省は米中両国は意思疎通を維持し、危機管理を強化し、地域の安全を守るために努力する認識で一致したと発表した。魏国防相は「いま中米関係が直面している局面の責任は米国にあり、中国にはない」「台湾問題は中国の核心的利益の中の核心で、中米関係が越えてはならないレッドラインの第一だ」と述べた。

バイデン米大統領は14日、インドネシアのバリ島で中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談した。会談後の記者会見で「紛争を目指さずに競争を責任を持って管理したい」と強調した。国防相会談で具体策を探った。

中国は8月にペロシ米下院議長が台湾を訪れてから米国との軍同士の対話を一部制限していた。米中国防相は6月、シンガポールで開いたアジア安全保障会議に合わせて会談した。

経済分野でも米通商代表部(USTR)のタイ代表が18日、バンコクで中国の王文濤商務相と会談した。2021年1月にバイデン政権が始まってから米中の通商トップが対面で会うのは初めて。USTRによると、タイ氏は2国間貿易について取り上げて対話ルートを維持する重要性を伝えた。

バイデン政権は中国について既存の国際秩序を変更する能力を持つ「唯一の競争相手」とみなしている。閣僚対話が相次いでも激しい米中対立は続く公算が大きい。

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