/

米民主、議会多数派奪還 トランプ氏弾劾裁判が不安材料

ヘインズ国家情報長官は20日に上院で閣僚として初めて承認された=ロイター

【ワシントン=中村亮】20日就任したバイデン米大統領率いる民主党は議会上下両院で多数派を確保した。遅れていた上院での閣僚の承認手続きは加速する見通しだ。ただ、上院は大半の法案可決の条件を賛成60票とするなど、超党派での連携が求められるケースは多い。バイデン氏が掲げた公約の早期実現に向け、トランプ前大統領の弾劾裁判が足かせとなる可能性もある。

上院では、1月上旬に南部ジョージア州の決選投票で勝利した民主党の2氏と、副大統領に就くため上院議員を辞職したハリス氏の後任を務める1氏が20日、そろって上院議員へ正式に就任した。これにより、上院は民主党と共和党がそれぞれ50議席となった。ハリス副大統領は上院議長も兼務し、賛否が50対50の場合に最後の1票を投じて決する。民主党は事実上の上院多数派を奪還した。

上院は政府高官の承認権限を持ち、承認には過半数の賛成が必要だ。20日までに上院が承認したバイデン政権の閣僚級はヘインズ国家情報長官だけだが、民主党が多数派となり今後は承認手続きが加速する可能性がある。予算がからむ法案も過半数の賛成で可決できるケースがあり、共和党の協力を得られない場合に民主党が強行採決を行えば政策を進められる。バイデン政権にとっては追い風だ。

民主党の不安材料はトランプ氏の弾劾裁判だ。下院は13日、トランプ氏が連邦議会占拠事件を扇動したと判断し、弾劾訴追に踏み切った。次の焦点は上院での弾劾裁判に移っている。弾劾裁判は上院議員にとって最優先事項になるため原則として欠席が認められず、裁判が長引くほど人事承認や予算審議に割く時間が減ることになる。

民主党にとって読みにくいのが共和党の出方だ。共和党上院トップのマコネル院内総務は19日、議会占拠事件について「大統領や他の影響力を持つ人々に扇動された」と語った。トランプ氏を弾劾訴追した民主党の見解に近く、マコネル氏がトランプ氏に反旗を翻してトランプ氏を「有罪」と見ているとの観測が出てきた。

一方、共和党内にはトランプ氏を擁護する声もある。リンゼー・グラム上院議員は2022年11月の中間選挙で共和党が上院の多数派を奪還する見通しについて「かなりの可能性がある。ただトランプ氏がいなければ無理だ」と指摘。大統領選で7000万を超える票を得たトランプ氏との連携を進めるべきだとして、弾劾裁判で有罪評決を下すべきではないとみる。

大統領を有罪とするには上院の出席議員の3分の2の賛成が条件となる。共和党から最低でも17人程度の造反が必要だ。仮に上院がトランプ氏に有罪評決を下すと、その後にトランプ氏から公職資格を剝奪するかどうか採決できる。上院は24年の大統領選へのトランプ氏の再出馬を阻める。トランプ氏は19日、「私が起こした運動はまだ始まったばかりだ」として政治活動への関与継続を示唆していた。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン