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米国の半導体補助金、中国での先端品「5%増産」禁止

(更新)

【ワシントン=飛田臨太郎】バイデン米政権は21日、半導体の政府補助金の受給を巡る規則を発表した。補助金の受給企業を対象に、中国などの懸念国での先端半導体工場の新増設を厳しく制限する。具体的には10万ドル(約1300万円)を超える取引や生産能力を5%以上増やすことを禁じることで、中国の先端半導体入手を阻止する。

台湾積体電路製造(TSMC)や韓国サムスン電子、米インテルなど補助金の活用を見込んで米国での工場建設を進めており、中国市場への先端投資は難しくなる。

米商務省は中国やロシア、イラン、北朝鮮を安全保障の懸念国と指定している。21日発表の規則は、汎用品についても規定。懸念国での生産能力10%を超える工場の新増設を制限する。

一方で、主に国内市場向けに製品を供給する工場に限っては新設を認めるとしており、汎用品の生産が続けられるよう一定の配慮も示した。

商務省は公表文書で「日本なども含むパートナーや同盟国と緊密に連携をとり続けている」と言及した。レモンド商務長官はこれまで、日本企業にも補助金を使って米国投資を拡大するよう呼びかけている。各国の企業は米中いずれのビジネスをとるのか難しい選択を迫られる。

米政府が創設した補助金は半導体製造に390億ドル(約5兆円)をあてる。2022年8月に成立した関連法に盛り込まれた。同年8月以降に建設を始め、年末以降に使用を開始した案件に適用する見通しだ。申請の受付はすでに始めている。

補助金の受給企業は10年間、中国への関連投資を禁じるとの原則を明らかにしていたが、今回具体的な基準を示した形だ。レモンド商務長官は声明で「米国と同盟国の国家安全保障上の優位性を拡大するもので、今後数十年にわたり敵対国の先を行くことを保証する」と強調した。

先端半導体を巡り、中国企業との共同研究や技術供与も制限する。規則では共同研究を「2人以上の研究者での実施」、技術供与を「特許や企業秘密、ノウハウを提供する行為」とそれぞれ定義した。規則に違反した場合は補助金を全額、返還しなければならない。

補助金の受給を見こして、既に多くの企業が米国で投資を始めている。TSMCはアリゾナ州で高性能の「4ナノ(ナノは10億分の1)品」を生産する。総投資額は400億ドルで、米国では過去最大級の海外投資になる。

インテルやサムスン電子も米国での生産を拡大する。いずれの企業も中国で半導体工場を運営している。米政府から補助金を受給すれば、中国での投資拡大は厳しくなる。

商務省の規則では「日本なども含むパートナーや同盟国と緊密に連携をとり続けている」と触れた。レモンド氏は日本企業にも補助金を使って米国投資を拡大するよう呼びかけている。日本企業は米中いずれのビジネスをとるのか難しい選択を迫られる。

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