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肥料価格、過去最高値に 主産地ロシアの供給停止で

【シカゴ=野毛洋子】肥料価格が過去最高値をつけている。英調査会社CRUが算出する肥料価格指数は17日に377とロシアのウクライナ侵攻が始まった2月24日から33%上昇し、2008年8月につけた最高値を超えた。最大の輸出国であるロシアからの供給が止まり、価格を押し上げた。

主産地である中国からの輸出が減少しているほか、原料となる天然ガスの値上がりで欧州の肥料メーカーが減産に転じていることも価格を押し上げているという。北米では、主産地カナダで20日に鉄道ストが起き、北米農家への肥料供給に打撃を与える。CRUの肥料部門責任者、クリス・ローソン氏は「ウクライナ情勢が長引くにつれて今後も価格は上昇する」と指摘する。

ロシアからの供給は欧米からの経済制裁や黒海沿岸の保険コストの上昇で海上輸出が止まった状態にある。米調査機関のOECによると19年時点の肥料の世界貿易量は666億ドル(約7兆9千億円)で、輸出首位のロシアは輸出全体の13.3%を占める。最大輸出先はブラジルだ。ちなみに2位は輸出シェアが11.4%の中国だが、インド向け輸出が最も多い。品薄を解決しようと輸入国は供給元の切り替えを急ぐ。

ロイター通信が21日に伝えたところによると、インドはロシアからの調達難を受け、イスラエルと肥料の材料である塩化カリウムの輸入契約を結んだ。中国も春の作付けを控えて国内向けの供給を急いでおり、政府関係機関が100万トンのカリ肥料の備蓄放出を求めた。主要輸入国のブラジルもカナダなどに供給を求めているという。

ウクライナ情勢の長期化は世界の食糧の安定供給に響く。農家が肥料を使わなければ収穫量が減るほか、小麦のたんぱく含有量が減るといった品質の低下を招く。国連食糧農業機関(FAO)の2月の世界の食料価格指数は過去最高を記録し、小麦など食品価格の急騰で「アラブの春」が起きた11年の最高値を上回った。

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