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チリで通貨・株が下落 次期大統領に左派選出で

【サンティアゴ=宮本英威】南米チリで経済の先行きへの懸念が強まっている。20日には通貨ペソが対ドルで、前週末に比べて4%ほど下落して過去最安値をつけ、株価は6%超下落した。19日の大統領選決選投票で、左派のガブリエル・ボリッチ下院議員が勝利して、鉱山会社への増税や自由貿易に慎重な政策を進めるとの懸念が膨らんだためだ。

地元経済紙ディアリオ・フィナンシエロによると、通貨ペソは1ドル=876ペソで取引を終えて、20年3月につけたこれまでの最安値(868ペソ)を下回った。金融市場ではボリッチ氏の経済政策への懸念は強く、900ペソ台に下落するとの見方も出ている。

11月の消費者物価上昇率は6.7%と、約13年ぶりの高い水準で推移している。通貨安が進めば、輸入物価の上昇を通じて一段とインフレが加速する可能性がある。

主要株価指数IPSAの20日終値は4088.26だった。チリの資源大手SQMの株価は14%超下がった。11月にあった大統領選の1回目の投票では右派候補が1位となったために株価はいったん上昇しており、その時点の高値からは1割以上下落した水準だ。

2022年3月に就任するボリッチ氏は格差是正を旗印にしており、社会保障の充実を図りたい考えだ。選挙戦では財源として富裕層や鉱山会社への増税を主張してきた。

ボリッチ氏は35歳と若いだけに「経験不足が指摘される中で、財務相やエネルギー相などの人選に注目している」(ブラジル投資銀行大手BTGパクチュアル)との声が出ている。

ボリッチ氏は20日午後、ピニェラ大統領と首都サンティアゴで面会した。会談後には「有意義な会合だった。今後取り組むべき課題が多くあると再認識した」と述べ、政権発足に向けて準備を進める考えを示した。

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