GM、米国4カ所目の電池工場計画 韓国LGとの協議中止

【ニューヨーク=堀田隆文】米自動車ゼネラル・モーターズ(GM)が、建設を目指している米国4カ所目の電気自動車(EV)向け電池工場を巡って、新たな提携先を検討していることが20日分かった。すでに建設を決めている3工場については、韓国のLGエネルギーソリューションとの合弁で運営する計画だが、4カ所目は別のメーカーとの協業を模索しているという。複数の米メディアが報じた。
GMは2025年までに北米で年100万台のEV生産を目指している。これに伴い、電池工場の新設が必要で、これまで米国内で3工場の建設を決めている。いずれもLGエネとの協業案件で、すでに稼働したオハイオ州の工場に加え、テネシー州、ミシガン州に設ける計画だ。
GMはさらに4カ所目の建設計画も固め、早期に発表するとしてきた。この工場についても、LGエネとの合弁で運営するとみられてきたが、両社の協議は難航し、中止したという。生産拡大のペースや、労働組合の結成の是非を含む工場運営のあり方について、方針が食い違ったとしている。
米自動車メーカーはバイデン米政権の後押しもあり、EV生産の拡大に向けた投資を急ピッチで進めている。ただ、ペースが急なだけに、生産計画や品質を巡り、協業先である電池メーカーとの交渉が難航する懸念も急浮上している。
米フォード・モーターは韓国SKオンと進めてきたトルコでの電池生産計画を撤回する見通しとなった。提携先をLGエネに切り替える可能性がある。
LGエネは、北米ではGM以外にも欧州ステランティス、ホンダとの電池合弁プロジェクトを抱えており、複数のメーカーの要望に同時に応える必要に迫られている。車メーカーと電池大手の提携を巡っては、今後も組み替えや再編が起きそうだ。
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