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ベゾス氏のブルーオリジン、年内に2回有人宇宙飛行計画

(更新)
ブルーオリジン初の有人宇宙飛行に搭乗したジェフ・ベゾス氏(左から2番目)ら(同社提供)

【シリコンバレー=白石武志】20日に創業者のジェフ・ベゾス氏ら4人を乗せて初の有人飛行に成功した宇宙開発ベンチャーの米ブルーオリジンは同日、年内にさらに2回の有人飛行を実施すると発表した。22年にはより多くの打ち上げを計画しているという。ベゾス氏は地球に帰還後に記者会見し、これまでに販売した将来の商業飛行の代金が累計で1億ドル(約110億円)に迫っていることも明らかにした。

「私にとって最も深遠だったのは、地球を見渡すこと、そして地球の大気を見ることだった」。ベゾス氏は記者会見で約10分間の宇宙飛行をこう振り返った。「上空に上がって実際に見てみると、大気は非常に薄く小さな壊れやすいものだった」といい、環境保全への意識が高まったと打ち明けた。

ベゾス氏らを乗せたブルーオリジンの宇宙船「ニューシェパード」は20日、米南部テキサス州の発射場から打ち上げられ、宇宙空間の始まりとされる高度100キロメートルの「カーマンライン」を越える弾道飛行に成功した。途中で宇宙船から切り離したロケット部分の着陸と回収にも成功した。

1960年代に女性宇宙飛行士の訓練プログラムに参加したウォリー・ファンク氏は20日の飛行に招待され、約60年越しの夢をかなえて史上最高齢の82歳で宇宙飛行を体験した。ブルーオリジン初の有料客として搭乗し、最年少の宇宙飛行士となった18歳のオリバー・デーメン氏は帰還後、「もっと多くの人々がこの体験をできるようになることを願っている」と述べた。

ブルーオリジンはすでに将来の商業飛行のチケット販売を始めているが、1席あたりの代金は明らかにしていない。6月にオークションを実施した最初の座席の落札額は2800万ドルだった。ベゾス氏は現在の宇宙旅行産業はまだ初期段階にあると認めつつ、ロケットの再利用可能な回数を増やすことなどで段階的に代金を引き下げていく考えを示し「大事は小事より起こる」と強調した。

ベゾス氏は7月上旬に米アマゾン・ドット・コムの最高経営責任者(CEO)を退任し、今回の打ち上げに備えていた。今後の自らの時間については「ブルーオリジンと(100億ドル規模の環境対策基金である)ベゾス・アース・ファンドに割り当てる」と話した。

ベゾス氏は自ら保有するアマゾン株を売却することでブルーオリジンの開発資金を捻出してきた。記者会見では「アマゾンのすべての従業員と顧客にも感謝したい。すべてのお金を払ってくれたのは彼らだから」とも述べた。

ベゾス氏は保有するアマゾン株の上昇によって世界一の富豪となったが、これまで納税などの社会還元には消極的とみられてきた。20日の記者会見では顕著な活躍が認められる慈善活動家らに1億ドルを贈る顕彰制度を始めることも発表した。社会貢献に消極的だという批判をかわす狙いとみられる。

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