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米国、「サル痘」感染拡大に懸念 ワクチン不足深刻に

【ニューヨーク=山内菜穂子】米国で動物由来のウイルス感染症「サル痘」の拡大に懸念が強まっている。感染者は約2600人と1カ月で18倍となり、ニューヨーク市などではワクチンの供給が需要に追いつかない状況が続く。新型コロナウイルス禍の教訓を生かしていないとして連邦政府の対応に批判も出ている。

米疾病対策センター(CDC)によると、21日時点の感染者は2592人だった。1カ月前は140人程度だった。感染者の大半は軽症とされる。サル痘は感染から3週間以内に症状が出ることが多く、今後さらに感染者は増えるとみられている。

「ワクチンが全く足りていない」。米国で感染拡大の中心となっているニューヨーク市の5つの区長は18日、連名でCDCに要望書を提出した。市内の感染者数は21日時点で778人。ワクチン不足のため、接種予約を常に受け付けることができない。15日にオンライン上で受け付けた9200人分の予約枠は7分で埋まったという。

同市は連邦政府から追加のワクチンを受け取ったとして、22日午後6時から1万7000人分の予約を受け付けると発表した。首都ワシントンDCは10万回分のワクチンが必要と予想する。より多く受け取るために、接種資格のある人に事前登録するように呼びかけている。

連邦政府はワクチンの確保や検査態勢の拡充を急ぐ。15日には250万回分を追加発注したと明らかにした。米メディアによると、これまでにおよそ700万回分を確保したが、このうち500万回分は今年後半から来年にかけて米国内で供給可能になるという。

対応が追いついていない現状には批判も出ている。米食品医薬品局(FDA)元長官のスコット・ゴットリーブ氏は17日のCBS番組で、検査やワクチン不足などをあげて「新型コロナの感染拡大時と同じ失敗をしている」と指摘。米国内での早期収束は不可能になったとの見方を示した。

サル痘は世界各国で広がりつつある。CDCによると、世界72の国・地域で、1万5000人を超える感染者が確認された。

世界保健機関(WHO)は患者の体液や患部の接触などによって感染し、患者は男性間で性交渉をする人が多いと説明する。21日には、専門家による緊急の委員会を開催し「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に相当するか検討した。近くテドロス事務局長が緊急事態を宣言するかどうか判断する見通しだ。

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