FRB理事「0.25%利上げを希望」 FOMCの次回会合で
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【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は20日の講演で「(2月の)次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げを希望する」と明言した。利上げを減速して金融引き締めの効果を見極める局面だという従来の見方について「この先も波乱はなさそうだ」と説明した。
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個人消費や企業の求人件数は減速しつつあるが、失業率は2022年12月も3.5%と歴史的な低水準にある。ウォラー氏はかねて企業の求人が多すぎるため、失業率は急には上昇しないと主張してきた。講演では「労働市場に深刻なダメージを与えることなくインフレを抑制させるソフトランディング(軟着陸)は十分に可能」という主張を繰り返し、今後についても楽観視していると強調した。
12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が6.5%と6カ月連続で鈍っている。市場では高インフレの沈静化に期待が高まっているが、ウォラー氏はこの点では慎重な見方を示してまだ利上げを継続する必要があると主張した。「1~3カ月間のデータを取り上げてバラ色の絵を描くことは可能だが、私はそうしないよう注意している」と話した。
「2%のインフレ目標まではまだかなりの道のりがあるため、金融引き締めの継続を支持することになる」と説明。利上げを止めた後も、早期には利下げには転換せず、金融引き締めの状態を保つとの見方を示した。