米国、ハイブリッド型勤務が定着 NY地下鉄は平日減便 - 日本経済新聞
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米国、ハイブリッド型勤務が定着 NY地下鉄は平日減便

(更新)

【ニューヨーク=山内菜穂子】米国で出社と在宅勤務を組み合わせるハイブリッド型の働き方が定着してきた。新型コロナウイルス禍から日常が戻っても、オフィスへの出社率はコロナ禍前の5割弱の水準にとどまる。ニューヨーク州都市交通局(MTA)は6月から乗客が少ない平日に地下鉄の運行本数を減らす。

全米のオフィスビルの入退出システムを管理するキャッスル・システムズの推計によると、全米主要10都市のコロナ前と比べた出社率は1月4日までの1週間で33%だった。2022年春以降、緩やかに出社率は上昇し、22年9月からは40%後半が続いた。22年に50%を超えたのは感謝祭の祝日の前週となる11月中旬のみだった。

スタンフォード大の研究者らが22年12月に発表した在宅勤務に関する調査によると、ハイブリッド型で働く人の割合は29%。完全に在宅勤務する人は13%、毎日出勤する人は58%だった。ただ大卒者に限ると、ハイブリッド型で働く人は毎日出勤する人と同じ割合(42%)に跳ね上がる。完全な在宅勤務の人は17%だった。

出社率が50%を下回る背景には柔軟な働き方への高いニーズがある。米ギャラップ社の22年6月の調査では、在宅勤務が可能な職種に就く人の60%がハイブリッド型勤務を希望した。実際にハイブリッド型で働く人は22年2月の調査時よりも7ポイント増えて49%となり、22年末以降も増加すると予想する。

22年12月中旬の出社率を都市別にみると、最も高いのは南部テキサス州オースティンで64%だった。一方、低いのは西部カリフォルニア州のサンノゼ(36%)やサンフランシスコ(43%)、ロサンゼルス(45%)。IT(情報技術)企業が集積しており、在宅勤務しやすい職場環境がある。

全米最大都市のニューヨーク市も状況は似ている。市や州はオフィスに人を呼び戻すために試行錯誤しているが、出社率は48%にとどまった。

ニューヨーク市内の地下鉄などを運行するMTAはハイブリッド型の働き方が定着してきたとして、月曜日と金曜日の地下鉄の運行本数を減らす方針を決めた。他の曜日と比べて利用率が低かった。6月から実施する予定だ。週末は利用客が増えているため本数を増やし、利便性を高める。

MTAのリチャード・デイビー局長は「コロナ後のハイブリッド・ワーク時代における変化を反映させる」と説明する。その上で「より早く清潔で安全な地下鉄を提供できるように努めていく」と語り、利用客の懸念になっている防犯対策にも力を入れる考えを示した。

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