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NYダウ614ドル安 中国恒大不安、リスク回避広がる

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【ニューヨーク=大島有美子】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前週末比614ドル41セント(1.8%)安の3万3970ドル47セントで終えた。米景気の先行き不安や米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小の見通しで様子見ムードが強まっていた。中国の不動産大手、中国恒大集団の資金繰り懸念が広がったことで、投資家のリスク回避姿勢に拍車をかけた。

香港市場や欧州市場の株安が、米株式市場にも波及した。ダウ平均の下げ幅は7月19日(725ドル安)以来、2カ月ぶりの大きさとなった。20日の取引開始後に600ドル近く下げ、その後は一部で買い戻しの動きも見られたが、午後になって売りが加速。一時970ドル超下げたが、取引終了にかけて戻した。

個別株はほぼ全面安となった。特に景気動向に敏感な米銀株ではシティグループやバンク・オブ・アメリカが3%超下落したほか、ハイテク株もアップルやフェイスブックで2%超の下落率となった。

ダウ平均以外の米主要株価指数も軒並み下げた。S&P500種株価指数は前週末比1.7%、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は2.2%それぞれ下げた。S&Pは5月以来の下落率だ。株以外の指数にもリスク回避の姿勢が強く表れた。投資家心理を測る指標、VIX(恐怖指数)は一時28台と約7カ月ぶりの高値に上昇した。コインデスクによると暗号資産(仮想通貨)のビットコイン価格は前日より約9%下落し、4万3000ドル台となった。

米株式市場は前週末時点で既に慎重ムードが漂っていた。22日に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(量的緩和の縮小)の年内開始が示唆されるとの見方が広がるほか、9月の消費者の景況感が低位にとどまったことなどを受け、景気の先行きを見極めたいという意向が強い。製造業の収益を圧迫しうる供給制約も解消されていない。

米モルガン・スタンレーの株式ストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏は20日の投資家向けリポートで様々な要因が重なれば「S&P500で20%超の大幅な下落が生じる可能性もある」と指摘した。

中国恒大は銀行融資や社債発行を通じて巨額の負債を抱えている。多くのグループ企業があり、実態が見えにくいことも指摘されている。同社の経営悪化が中国の不動産市場や他の中国企業の資金調達にどこまで影響するのか、市場は「伝染リスク」に敏感になっている。リスクの評価や市場への影響については見方が割れる。

米証券ミラー・タバックのストラテジスト、マシュー・マリー氏は「投資家が流動性の問題を憂慮するようになり、(追加証拠金の差し入れ義務である)マージンコールに直面した売りが広がっている」とみる。伝染リスクの不透明感が高まれば「これまでのように米株式市場がすぐに立ち直るのは難しい」として、長期的に上値が重くなる可能性を指摘する。

一方で米金融サービスLPLフィナンシャルのチーフ・マーケット・ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は20日、「中国恒大は中国版リーマン・ブラザーズにはならない」と述べた。影響を受ける金融機関の数が少ないことや、中国政府の支援に期待が持てる点を挙げ「中国の短期金融市場は現状問題なく機能している」とした。

JPモルガンのストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏も20日の相場についてCTA(商品投資顧問)やオプション取引に伴うテクニカルな売りが大きかったと分析する。米企業業績などのファンダメンタルズは揺らいでおらず、「買いの好機だ」と指摘した。

20日は東京市場や上海市場が休場だった。香港市場ではハンセン指数が前週末比3.3%値下がりし、年初来安値を更新。中国恒大は一時2割安と急落した。中国の金融や不動産市場の先行き不透明感から、運用リスクを回避する売りが膨らんだ。

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