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バイデン政権、女性閣僚最多 多様性前面に

(更新)
米ワシントンの教会で礼拝するバイデン新大統領夫妻(20日)=ロイター

【ワシントン=中村亮】20日就任のバイデン新米大統領は閣僚指名で多様性を前面に打ち出している。閣僚級ポストに就く女性は史上最多になる見込みで、黒人やヒスパニックといった人種にも目配りする。政権交代の立役者となったリベラル派に配慮し、民主党内の結束を図る思惑が透ける。

国家情報長官に指名されたヘインズ元米中央情報局(CIA)副長官は19日、議会公聴会で「真実を権力者に伝えることを決してためらわない」と述べ、政治からの独立を強調した。情報機関がトランプ氏にとって都合の悪い情報を共有せず、政策決定がゆがんだとの批判が念頭にある。ヘインズ氏が国家情報長官に就けば女性初。同氏は柔道を習うため東京に滞在するなど多彩な経歴を持つ。

バイデン氏が財務長官に指名したイエレン前米連邦準備理事会(FRB)議長は新型コロナウイルスからの経済再建の重責を担う。財務長官に女性が就くのも初めて。米通商代表部(USTR)代表や国連大使にも女性を起用している。

米ラトガース大によると、バイデン氏は閣僚級ポストに11人の女性を起用。歴代政権を1期4年ごとに見た場合、11人全員が承認されるとオバマ政権の2期目の8人を超えて史上最多になる。ハリス前上院議員も女性初の副大統領に就き、政権の主要ポストを女性が担う。白人男性の閣僚が多かったトランプ政権とは対照的だ。

バイデン氏は人種のバランスにも目配りした。黒人初の国防長官を目指すオースティン元中央軍司令官は19日の議会公聴会で「部隊から人種差別主義者や過激派を排除する」と強調した。トランプ氏は黒人差別への抗議デモを武力で鎮圧する構えを見せ、強い反発を浴びた。特に米軍では非白人が約4割を占め、人種間の対立は軍の統率に関わる。人種間の亀裂修復はオースティン氏の主要課題の一つになる。

バイデン氏が内務長官に指名したハーランド下院議員は議会で承認されると先住民系で初めての閣僚となる。マヨルカス次期国土安全保障長官はヒスパニック系、タイUSTR次期代表はアジア系で、バイデン氏が幅広い人種から閣僚を選んだことがうかがえる。

多様性重視はリベラル派に配慮して党内の結束を保つ狙いがある。調査会社ピュー・リサーチ・センターによると、リベラル派の35%はバイデン氏について「穏健派に肩入れする」と答え、「リベラル派に肩入れする」との回答(7%)を大幅に上回った。共和党との協力も訴えるバイデン氏に対し、リベラル派の根強い警戒感が浮き彫りになっている。

上院は民主党(無所属を含む)と共和党がそれぞれ50議席を占める見通しだ。民主党はハリス氏が上院議長を務めるため事実上の多数派を握るが、1人でも造反者が出れば政策推進が困難になる。下院では2020年11月の選挙で民主党が議席を減らし、リベラル派の発言力が相対的に高まった。

バイデン氏はリベラル派から熱烈な人気があるサンダースやウォーレン両上院議員の閣僚起用を見送った。両氏の選出州はともに共和党が知事職を握る。上院議員が辞職して閣僚に就くと、知事が後任議員を指名する。両氏の議席を共和党が握れば上院の多数派が入れ替わるリスクも考慮し、バイデン氏は両氏の起用を見送ったとみられる。

一方、議会でサンダース氏は上院予算委員長に就く見通しだ。予算策定や審議に大きな影響を及ぼし、持論の経済格差縮小に向けた歳出拡大を狙うとみられる。ウォール街に手厳しいウォーレン氏も金融機関や消費者保護を扱う小委員会委員長を務める見込みで、議会での影響力拡大を目指す。

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バイデン次期政権

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