トルコ大統領、中銀総裁を解任 利上げに反発か
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【イスタンブール=木寺もも子】トルコのエルドアン大統領は20日、中央銀行のアーバル総裁を解任したと発表した。2020年11月に就任したアーバル氏はインフレ対策として金融引き締めを推進してきたが、金融緩和を求めるエルドアン氏の不興を買ったとみられる。政治リスクが意識され、リラ売りが再燃する可能性がある。
トルコ中銀は18日に主要政策金利の1週間物レポ金利を2%引き上げ、年19%にすると決めたばかりだった。足元の消費者物価指数(CPI)が15%超に達するなどインフレが加速するなか、アーバル氏はインフレ沈静化を政策目標に掲げ、市場予想を上回るペースで利上げを実施していた。

アーバル氏の手法は金融市場では高く評価され、近年下落が続いていたリラは持ち直しつつあった。一方、景気を冷やす高金利を「悪」とする信条を持つエルドアン氏はアーバル氏への不満を高めていたとみられる。
中銀総裁の後任にはエコノミストのシャハプ・カブジュオール氏が就く。地元ネットメディアであるT24はカブジュオール氏が「中銀は高金利政策を推進すべきでない」と主張する論文を今年2月に発表していたと報じている。