米国務長官、再生エネで中国に対抗 「いまは後れ」

【ワシントン=中村亮】ブリンケン米国務長官は19日の演説で「米国が再生可能エネルギー革命を主導できずに中国との長期にわたる戦略的競争に勝利する姿を想像することは難しい」と述べ、官民で対抗していく考えを表明した。石炭火力発電への過度な依存は「有害だ」との認識を示し、各国に削減を促す立場を強調した。
東部メリーランド州で気候変動について演説した。バイデン政権は22、23両日に気候変動サミットを主催する。演説はサミットに臨むバイデン政権の方針を示したものだ。
ブリンケン氏は「気候変動危機(への対処)を外交や安全保障政策の中心に据える」と説明した。気候変動対策に慎重だったトランプ前政権からの転換を改めてアピールした。世界の気候変動対策を主導すると強調し「うまくいけば数十年にわたる質の高い雇用の創出に向けた最大の機会となる」と指摘し、国内経済に恩恵が及ぶと強調した。
中国について、太陽光パネルや風力タービンの最大の生産者であり、再生エネに関わる世界の特許の約3分の1を保有していると指摘。「我々は後れを取っている」と危機感を表明した。「追いつかないと米国は我々の利益や価値観を反映した世界の気候変動の将来を形づくるチャンスを逃す」と語った。
ブリンケン氏は「世界を後退させる措置を講じる国のやり方に対して米国の外交官は異議を唱えていく」とも説明した。電源構成で石炭への依存度が高い国のケースをあげて「それらの国は米国や友好国からそうした措置がいかに有害であるかを聞かされることになる」と指摘した。

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