ブラジル小売り大手、会社更生手続き 負債1兆円

【サンパウロ=宮本英威】ブラジル小売り大手ロジャス・アメリカナスは19日、リオデジャネイロ州の裁判所に会社更生手続きの適用を申請したと発表した。負債総額は430億レアル(約1兆円)。200億レアル規模の不正会計疑惑の表面化によって、急速に経営状況が悪化していた。
有力紙グロボによると、負債規模はブラジルで過去4番目の大きさとなった。裁判所の承認後、60日以内に更生計画を策定する。同日公表の声明で「5300万人の顧客に対して幅広いサービスを提供し続ける」と指摘しており、事業は継続する。
アメリカナスは1929年にリオデジャネイロ州で創業した。買収などを通じて成長し、2021年には食品スーパーのオルチフルチ・ナトゥラル・ダ・テハも傘下におさめた。電子商取引(EC)でも大手だ。
ブラジル小売・消費市場経営管理者協会(Ibevar)の22年の調査によると、売上高の規模でアメリカナスは5位に位置している。
アメリカナスは投資会社3Gキャピタルの傘下にある。ブラジル人のホルヘ・パウロ・レマン氏らが04年に創業した3Gは、ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ、米食品大手クラフト・ハインツなどの株式も保有していることで知られる。