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台湾・香港問題で平行線、米中協議 2日間の日程終了

(更新)

【ワシントン=永沢毅、北京=羽田野主】ブリンケン米国務長官と中国の外交担当トップ、楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員は19日、アラスカ州アンカレジでの2日間の協議を終えた。ブリンケン氏は新疆ウイグルや香港、台湾で懸念を伝えたことを明らかにした。楊氏は「核心的利益だ」と反発し、議論は平行線に終わった。

2日目の協議は現地時間19日午前(日本時間20日未明)に開き、ブリンケン氏は終了後、内容を記者団に説明した。ウイグルや香港、チベット、台湾、サイバー問題について取り上げ、中国側から「想定通りの反論があった」と語った。

中国国営の新華社通信によると、楊氏は台湾問題を巡り「いかなる妥協の余地もない」と強調した。米国による台湾への武器売却や米政府関係者の台湾訪問を直ちにやめるよう要求し、「中国の限界線を突破しようと試すのはやめよ」と訴えた。

中国側の発表によると「米国は(中国大陸と台湾は一つの国とする)一つの中国の原則を重ねて表明した」と指摘した。

香港問題を巡っても楊氏は「選挙制度をいかによくするかは中国の内政だ。外国に干渉する権利はない」と主張した。米国の制裁も撤回するよう求めた。

一方、ブリンケン氏は北朝鮮やイラン、アフガニスタン、気候変動問題では「利益を共有する点がある」と述べ、接点がある可能性を示唆した。中国側も協調する姿勢をみせた。中国側は米中で気候変動に関するワーキンググループを立ち上げることで一致したと伝え、今回の協議で唯一の合意点だったとみられる。

経済、貿易、ハイテクを巡る課題に関しては「米議会や同盟国、友好国と緊密に相談しながら検証しているところだ」と中国側に伝えたことを明らかにした。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は今回の協議を踏まえて「同盟国、友好国と協議を続ける」と強調した。

中国側は「中米双方がハイレベル戦略を巡る意思疎通を続けることを希望している」と発表し、対話の継続に期待を示した。ただ具体的な日程や今後の頻度などには触れていない。

日本が重視する沖縄県・尖閣諸島周辺への中国公船の領海侵入が提起されたかどうかは明らかになっていない。初日の18日は冒頭発言が1時間超に及び、報道陣を前に人権問題などで応酬を繰り広げる異例の展開となった。バイデン大統領はホワイトハウスで記者団に「国務長官をとても誇りに思う」とブリンケン氏の初日の対応を評価した。

中国は対米関係の安定をめざし、米中対立の緩和への糸口を探っている。ただ楊氏は18日の協議でウイグルや台湾問題などを「内政干渉」だとして米国の要求を拒絶、黒人差別などを引き合いに米国の民主主義にこそ問題があると指摘した。中国共産党の創立100年など重要な政治イベントを前に、少なくとも表向きは米国に譲歩するような姿勢はみせられないと判断しているとみられる。

バイデン政権で米中高官による直接協議は初めてで、中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相も同席した。

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