米オフィス・デポ、ステープルズの買収提案を拒否

【ニューヨーク=河内真帆】米オフィス用品量販大手オフィス・デポは19日、同業のステープルズの親会社が11日に提案した買収合併案を拒否すると発表した。完全買収ではなく、合弁事業の設立など代替え案には応じると示唆した。大手2社の合併に際し、当局との交渉や手続きが長引くことを懸念したとみられる。
オフィス・デポ役員会は全社売却ではなく、小売事業と電子商取引(EC)事業をステープルズまたは合弁事業に売却するのが望ましいとの結論に達したと通達した。コスト削減ができる一方で、当局からの長期にわたる監査を受けずにすむと指摘した。
ステープルズは11日にオフィス・デポに対し1株あたり40ドル、総額21億ドル(約2200億円)での敵対的な買収を提案し、合意に達しない場合には3月に株式の公開買い付けを始めると発表した。米連邦取引委員会(FTC)から、独禁法に抵触するとの指摘を回避するため、店舗が重複する市場での事業統合やオフィス・デポのビジネス向け事業の売却を提案していた。
ステープルズは1996年と2015年の2回にわたりオフィス・デポとの買収・経営統合を提案した。2回ともFTCが競争阻害と消費者の利益を損ねるとの判断を下し、実現しなかった。