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米議会「半導体補助金」先行で決着急ぐ 対中法案巡り

【ワシントン=鳳山太成】米議会上院は19日、半導体産業を補助金で戦略的に後押しする法案の成立に向けて最終調整に入った。対中投資規制などを盛った包括的な「中国対抗法案」を検討してきたが、与野党の対立で審議が難航した。緊急性の高い半導体を切り出して決着を急ぐ。

上院(定数100)は19日、64対34の賛成多数で半導体法案の採決に進む方針を決めた。与党・民主党に加えて、野党・共和党から16人が賛成に回った。週内にも可決し、下院もその後に採決する見通しだ。上院の法案可決には60票が必要になる。

法案の詳細は与野党が引き続き交渉している。米メディアによると、半導体の生産や研究開発に520億ドル(約7兆2000億円)超の補助金を投じる。従来と規模は変わらない。さらに投資を促すため4年間、25%の税額控除制度も設ける。

補助金の支給条件をどう定めるかが焦点だ。議会は、補助金を受け取った企業の対中投資を禁じる方向で議論している。企業側は経営の自由度を縛られるため反対している。

法案には、高速通信機器の開発や科学研究を政府が支援する条項も加えられる可能性がある。

これまで半導体の補助金は対中法案の一部として盛り込まれてきた。民主党の議会指導部は、法案から補助金の条項を取り出して成立をめざす戦略に切り替えた。補助金にはもともと与野党の高い支持がある。

半導体を先行させるのは、法案の成立がこれ以上遅れれば「世界の投資合戦で米国が後れを取る。台湾に調達を依存するリスクが続く」(レモンド米商務長官)との危機感がバイデン政権や与野党で高まったからだ。

日本は既に台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場への補助金支給を決めた。米インテルは6月、補助金の支給が遅れていることを理由に、中西部オハイオ州で7月に予定していた新工場の起工式を延期すると表明した。

バイデン政権は11月の中間選挙を控え、インフレ対策で成果を急いでいる。半導体不足で生産が止まった自動車が値上がりした。レモンド氏ら政府高官は、早く補助金を実現させるよう与野党の議会指導部に促してきた。

中国に対抗するために包括的な法案をつくるという当初の計画は棚上げになる。上院は2021年6月に「米国イノベーション・競争法案(USICA)」の名称で可決した。下院が22年2月に通した法案と一本化するため、与野党議員が5月から擦り合わせてきた。

上下院がそれぞれ通した法案には、人工知能(AI)や量子コンピューターなどの基礎研究への投資のほか、企業の対中投資を事前審査する制度など様々な政策が盛られた。対中法案から今回削られる多くの政策が今後、法制化に進むかは見通せない。

対中法案は成立のメドが立たなくなっていた。民主党が下院の法案に気候変動や格差是正など中国とは直接関係ない条項を取り入れ、共和党が反発した。対中投資規制や貿易の条項でも与野党で意見が分かれた。

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