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米映画館大手、98%再開 「洋画不足」日本にも朗報?

(更新)
映画館「AMCシアターズ」は米国で98%の施設を再開した=ロイター

【シリコンバレー=佐藤浩実】新型コロナウイルスの影響で閉鎖していた米国の映画館の再開が目立ってきた。最大手「AMCシアターズ」の運営会社は19日までに98%の施設を再開した。客足などに不透明感はあるものの、新作の公開ペースが戻れば「洋画不足」に悩む日本の映画業界への朗報になりそうだ。

AMCの運営会社は19日、ロサンゼルスなど西部カリフォルニア州の映画館43軒を再開した。3月上旬にはニューヨーク市の13施設でも約1年ぶりの映画上映にこぎつけた。収容人数の制約はあるが、米国内に約600ある映画館のうち19日時点で98%が再開したという。「シネマーク」などほかの大手チェーンでも営業再開が広がる。

ロサンゼルス郊外の映画館を訪れたクリストファー・ノーラン監督=ロイター

世界市場、7割縮小

20年3月に一斉に閉じた米国の映画館は、20年末時点でも約6割が閉まっていた。米映画協会によると、米国とカナダを合わせた北米の映画興行収入は20年に80%減の22億ドル(約2400億円)にとどまり、最大市場の座を中国(30億ドル)に明け渡した。公開した作品数も前年の3分の1の338本にとどまった。

影響は日本にも及んだ。世界で同時期の公開にこだわる米映画会社が多く、本国での延期に合わせて日本での上映も中止したためだ。「洋画不足」に陥ったことで「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の大ヒットにも関わらず、日本の興行収入は20年に44%減った。世界では72%減の120億ドルだった。

ハリウッドを抱える米国での映画館の本格再開は、先送りを重ねてきた大作の呼び水となる。米ウォルト・ディズニーはマーベル映画「ブラック・ウィドウ」を5月7日(日本は4月29日)から上映する計画を掲げる。コロナの感染状況次第で変更の可能性はあるものの、久々の大作公開となる見込みだ。

動画配信全盛、客足呼び戻せるか

ただ、映画視聴の習慣がコロナ以前の状況に戻るかは不透明だ。米映画協会によれば、20年は「ネットフリックス」や「ディズニー+(プラス)」といったインターネット動画配信サービスの契約数が世界で26%増えて11億件に達した。10億件を超えるのは初めてで、参入企業の多い米国が3億860万件を占める。

実際、15日に公表されたアカデミー賞のノミネートは「Mank(マンク)」や「シカゴ7裁判」など配信作品が相次いだ。配給会社別でも米ネットフリックスが最多の35ノミネートを獲得した。「HBOマックス」を運営する米ワーナーメディアは21年を通じて、映画館と動画配信サービスでの同時公開を続ける方針だ。

北米ではコロナ下の営業制限により、約40の映画館を運営していた中堅チェーンの「アラモ・ドラフトハウス」が3月上旬に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。20年は一度も映画館に行かなかった人が2歳以上の人口の54%を占めたという。コロナ下の1年で変化した娯楽の楽しみ方が元に戻るかどうかが今後の焦点となる。

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