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米連邦取引委員会、Facebookを独禁法違反で再提訴 

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FTCはフェイスブックがインスタグラムなど新興企業の買収で競争を阻害していると主張する

【ニューヨーク=白岩ひおな】米連邦取引委員会(FTC)は19日、米フェイスブックを反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで再び提訴した。バイデン政権下で巨大IT(情報技術)企業に法的措置を講じるのは初めて。競合する恐れのある画像共有アプリ「インスタグラム」や対話アプリ「ワッツアップ」など新興企業買収で競争を阻害したとし、両事業の売却を求めた。

FTCは19日の声明で、IT大手の独占を問題視してきたリナ・カーン委員長が訴訟に携わることを明らかにした。訴状の再提出はカーン氏を含む3対2の賛成多数で決めたという。声明では「フェイスブックは自社のネットワークに革新的なモバイル機能を開発しようとして何度も失敗した後、支配力を維持するため『買うか葬るか』という違法行為に頼った」と主張した。

フェイスブックは再提訴を受けた声明で「FTCがメリットのない訴訟の継続を選んだのは残念なことだ」と述べた。「フェイスブックが独占企業であるという正当な主張はない」とし、買収やプラットフォームの運用を合法的に行ってきたと説明した上で「今後も精力的にわれわれの企業を守る」と表明した。同社は10月4日までに新たな訴状に回答する必要がある。

FTCは2020年12月、インスタグラムや対話アプリ「ワッツアップ」などの事業分割・売却を求めてフェイスブックを提訴し、21年1月には同様の訴えをしていた48州・地域の司法長官との共同提訴に発展した。

米首都ワシントンの連邦地裁は6月下旬、フェイスブックがSNS(交流サイト)市場を独占している十分な証拠を示していないとしてFTCの訴えを退けた。その上で、新たな証拠を加えた訴状を修正・再提出する期限を8月19日までとしていた。

FTCは一連の訴えで①潜在的な競合他社を潰すためにインスタグラムとワッツアップを買収した②自社のプラットフォームを優位にして他のSNSの成長を抑え込むため、第三者のソフト開発者に不利な条件を求めた――と主張する。両事業の売却とともに、将来の買収の事前承認や反競争的行為の恒久的禁止を要求した。

80ページにのぼる新たな訴状では、FTCがフェイスブックの「独占」を主張する「個人向けSNS市場」の定義を明確にした。①ユーザーのつながりを可視化②ユーザー同士がお互いを見つける機能③広範な情報発信よりも連絡先を共有するユーザーとの対話に使用――といった点に独自性があるとする。

ユーチューブや中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」などの「コンテンツの放送・消費サービス」、ツイッターやレディットなど興味・関心に基づいて人をつなぐサービスは当てはまらないとした。米国の個人向けSNS市場で「次の最大の供給者」と位置づける写真共有アプリ「スナップチャット」の月間利用者数はフェイスブックやインスタグラムより数千万人少ないと説明した。

FTCは従来の訴状で「個人向けSNSのフェイスブックの市場シェアが60%を超えている」と主張したが、6月には連邦地裁が「臆測に基づくものだ」と断じた。新たな訴状では「米国で圧倒的な規模を誇る」との表現にとどまった。サービスの月間利用者数にも言及したが、公開された訴状では具体的な数値は伏せられている。

巨大IT企業とFTCの攻防は激しさを増す。フェイスブックは7月、FTCに対し、IT大手の独占を問題視してきたリナ・カーン委員長が独禁法に関する調査に加わることは公平ではないとして、同氏の除外を求めた。FTCは19日の声明で「(フェイスブックは)連邦判事のもとで起訴され、憲法上の適正な手続きの保護が提供される」と述べ、カーン氏が訴訟から手を引くことはないと発表した。

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