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スマホの個人情報保護を強化 グーグル、新OSで機能拡充

「アンドロイド12」について説明する米グーグルのサミール・サマット副社長(18日、米カリフォルニア州マウンテンビュー市)

米IT(情報技術)大手がスマートフォンで個人情報を保護する機能を強化している。グーグルは18日、今秋から提供する新たな基本ソフト(OS)で、アプリによる個人情報の利用状況を通知する方法を変え、利用者が設定を変更しやすくすると発表した。アップルも含め同様の動きが相次ぐなか、情報を活用してきたインターネット広告などとの両立が課題となる。

「一人ひとりの利用者への対応、個人情報の保護、そして機器間連携の強化が柱となる」。グーグルが同日に開いた開発者会議で、サミール・サマット副社長は説明した。

同日に新OS「アンドロイド12」の試験版を公開した。一般には今秋から提供する。詳細は今後、変更する可能性がある。

「プライバシーダッシュボード」と呼ぶ機能を追加し、スマホに取り込んだすべてのアプリの個人情報の利用状況を一覧表示する。現在はホーム画面の設定のアイコンから「プライバシー」を選ぶなどして、個人情報の利用状況を確認する。新OSでは確認に必要な操作数を減らすとみられる。

具体的には、過去24時間にスマホ利用者の位置情報やカメラ、マイクなどを使ったアプリがそれぞれいくつあったかを表示する。時系列で見ることもでき、使った覚えがないアプリによる情報利用などを制限できるようにする。

また、ホーム画面からすぐに開ける「クイック設定パネル」に、アプリによるカメラやマイクの利用を一括停止できるボタンを設ける。アプリがカメラやマイクを使っている場合は、こうした機能が作動していることを示すアイコンを新たに表示する。

位置情報の利用では従来、「常に許可」「アプリの使用中のみ許可」「毎回確認」「許可しない」の4つから選ぶ形だったが、おおよその場所を共有することも可能にする。自宅など詳細な場所を知られたくない一方、近所の天気などを知りたいといったニーズに応える。

プライバシーを「基本的な人権」と捉えてきたアップルは、アプリごとにどのような情報を使っているのかを示す画面を2020年に加えている。カメラやマイクの利用を通知する印の表示や、おおよその位置情報を提供する機能の提供でグーグルに先行した。

両社には違いもある。アップルは4月に提供を始めたOS「iOS 14.5」で、端末ごとに割り当てた「IDFA」と呼ぶ識別情報をアプリ開発企業や広告会社が使う際は利用者に事前に承認を求めることを義務付けた。個人情報の保護を強め、利用者の趣味や嗜好に合った広告を配信することを実質的に制限した。

グーグルも同様の取り組みを始めるとの観測があったが、現時点では制限していない。同社は収益の大半をネット広告に依存し、関連企業との関係も深い。18日に取材に応じたプロダクトマネジャーのシェーメイン・デシルバ氏は「プライバシー保護の強化が必要だが、健全な広告の事業環境を維持も要る」と説明した。

アプリ開発支援を手がける米フラリーによると、米国では最新のOSを搭載したiPhoneなどの所有者のうち、外部企業がIDFAを活用することを承認した人の割合は6%にとどまっている。利用者が警戒を強めすぎると広告に依存する無料サービスが成り立ちにくくなる恐れもあり、個人情報の活用とプライバシー保護の最適なバランスを探る作業が必要になっている。

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