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アルゼンチン、米に支援要請 IMFとの債務協議難航

【サンパウロ=宮本英威】アルゼンチンのカフィエロ外相は18日、米首都ワシントンでブリンケン米国務長官と会談した。国際通貨基金(IMF)との間でアルゼンチンが進める450億ドル(5兆1500億円)規模の債務再編交渉をめぐり米国に支援を求めた。ただ、IMFとの間では財政均衡を目指す時期など再建策の細部で隔たりがあり、債務協議は難航している。

ブリンケン氏が会談の冒頭で「話し合う課題が多くある」と呼びかけると、カフィエロ氏は「アルゼンチンにとって非常に重要な会談だ。発展に向けた持続可能な経済などに取り組んでいきたい」と応じた。

カフィエロ氏がこの時期に訪米したのは、IMFとの交渉で米国の後ろ盾を期待したいためだ。米国はIMFへの出資比率が17%と最大で、影響力は大きい。IMFを主管するのは米国務省ではなく米財務省だが、交渉環境を整えたいとのアルゼンチンの思惑が透ける。

アルゼンチンは中道右派のマクリ前政権下の2018年、IMFから570億ドルの融資枠を得た。19年12月に引き継いだ左派のフェルナンデス大統領は融資が「持続不可能だ」などと前政権やIMFを批判してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて20年8月にはIMFとの対話路線に転じた。

両者は債務再編の交渉を重ねているが、合意には至っていない。アルゼンチンは債務減免や返済猶予を求めている。返済期間を長期化するとともに、財政均衡の時期も27年を主張しているようだ。

一方でIMFは、公共事業を中心とする歳出の早期抑制やインフレの低減を求めている。前提となる実質経済成長率ではアルゼンチンは4%を見込むが、IMFは2.5%程度にとどまると分析しているもよう。両者の隔たりは依然として残っている。

アルゼンチンの経済状況は厳しい。21年の消費者物価上昇率は50.9%と、20カ国・地域(G20)で最も高い水準だった。政府は生活必需品の価格統制を狙うが十分な成果は出ておらず、22年も同程度のインフレ進行が見込まれている。

新型コロナウイルスの感染者数は累計731万人と、人口比では世界で有数の多さだ。

フェルナンデス政権はIMFとの交渉にあたり国内にも課題を抱えている。フェルナンデス氏やIMFとの交渉窓口を務めるグスマン経済相は、与党内では穏健派に位置づけられている。クリスティナ・フェルナンデス副大統領ら強硬派は、自国に有利な条件を引き出すように交渉チームに圧力をかけている。

マクリ前大統領ら野党側は、債務再編の必要性は十分に認識している。ただ21年11月の議会選で勝利したこともあり、積極的に与党に協力する意向はない。

アルゼンチンは3月22日にIMFに対する28億ドルの返済期限を控えている。米モルガン・スタンレーは、アルゼンチンの純外貨準備高は32億ドルまで減少していると分析する。グスマン経済相はAFP通信とのインタビューで「IMFとは毎日ではなく、日に数度やり取りしている」と述べている。

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