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米金融当局のトップ人事、公聴会で紛糾 承認不透明に

(更新)

【ニューヨーク=大島有美子】米上院の銀行委員会で18日、バイデン米大統領によって米通貨監督庁(OCC)の長官に指名されたコーネル大法学部教授のソーレ・オマロバ氏が議会証言に立った。オマロバ氏は銀行の監督強化を重視している。野党共和党の議員はオマロバ氏の過去の論文や経歴から、同氏が社会主義的な思想を持っていると反発。与野党の議員数が拮抗する上院で、承認への道が険しくなっている。

オマロバ氏は公聴会で「隣人や中小企業に融資する中小の銀行が繁栄できるよう、公正で競争力のある市場を保証する」ことに優先的に取り組むと述べた。「あらゆる共同体が手ごろな金融サービスにアクセスできること」が重要と語り、中小企業や低所得の個人がサービスを利用しやすくする「金融包摂」を重視する姿勢を強調した。

共和党議員は、オマロバ氏が旧ソビエト連邦のカザフスタン出身で、モスクワ大学で学んでいたことに焦点を当てた。トゥーミー上院議員はオマロバ氏が学生時代に書いた論文がマルクス主義に関するものだったと主張。ケネディ上院議員もオマロバ氏が共産主義の団体に属していたことを取り上げ、OCC長官としての資質に疑問を呈した。

オマロバ氏は「私は自分の生まれた場所を選べなかった」「マルクス主義や共産主義の議論に参加したことはない。私は共産主義者ではない」などと反論した。「懸命に勉強して自由の国、米国に行くという夢をかなえた」と訴えた。銀行委員長で民主党のブラウン上院議員は「彼女は共産主義の抑圧から逃れて米国市民となった。米国の銀行システムを機能させるための闘いにキャリアを費やしてきた」と擁護した。

大銀行に厳しい姿勢をとるオマロバ氏は民主左派の支持が厚い。ただ今回の公聴会では民主穏健派からもオマロバ氏の人事を疑問視する声が上がり、民主党内の温度差も浮き彫りとなった。

テスター上院議員は、オマロバ氏が気候変動対策に取り組むためには石油会社などに「倒産してほしい」と過去のイベントで語ったという件をとり上げた。発言の真意を問われたオマロバ氏は「そのような意図はなかった。そうした会社の再構築を助けるべきだということだ」との弁明に追われた。

OCC長官人事には上院の承認がいる。まず上院銀行委員会の賛成を経て、上院本会議での審議・採決を経て承認される。

米投資会社カウエンのジャレット・セイバーグ氏は公聴会後のリポートで「オマロバ氏が承認される可能性は低い」との見方を示した。共和党員の賛成が見込めないなか、委員会やその先の本会議での投票で民主党員が1人でも離反すれば承認は厳しくなるとみる。その場合、バイデン米政権は人選の見直しを迫られる。

オマロバ氏は過去に論文で、民間銀行の預金を米連邦準備理事会(FRB)に移管すべきだと主張している。OCCの監督下にある銀行業界はオマロバ氏の主張について「多様で競争力のある地域銀行のモデルを事実上なくすものだ」(米国銀行協会のロブ・ニコルズ会長)と反発を強めている。

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