米、対ロシア制裁違反を確認 航空機持ち込みで警告

【ワシントン=鳳山太成】バイデン米政権は18日、ロシアに科した制裁への違反事例を確認したと発表した。規制対象の航空機を同国に飛行させたと指摘し、ロシアの富豪や航空会社が持つ100機を例に挙げた。違反者には罰則を科すと警告した。
商務省は2月下旬、ロシアへのハイテク製品の輸出を事実上禁じた。特定の航空機や航空機部品も規制対象となっており、3月2日以降に「第三国」から商業や私用の航空機がロシアに多く飛行するのを確認した。
具体例として100機のリストを公表した。サッカーのイングランド・プレミアリーグの強豪、チェルシーのオーナーとして知られる富豪のロマン・アブラモビッチ氏のほか、ロシア航空最大手アエロフロートなどが所有もしくは運営する機体を列挙した。
商務省は、ロシアの航空機に給油や整備、修理などのサービスを提供した場合も違反になり、投獄や罰金、輸出権限剝奪などの措置を講じると警告した。「ロシア発の国際線は事実上離陸できない」と指摘した。
ロシアに航空機を飛行させた同国の富豪や航空会社のほか、部品やサービスを提供した米国内外の企業も米政府の罰則対象になり得る。米国製の航空機や、米国製の規制品目を25%超含む外国製飛行機を許可なくロシアに持ち込めば、米国の法令違反になる。
バイデン政権は制裁違反を厳しく取り締まる構えだ。レモンド商務長官は声明で「ロシアや(侵攻に協力した)ベラルーシの企業、オリガルヒ(新興財閥)が米国法を犯しながら罰を受けずに旅行するのを許さない」と述べた。

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