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米、接種義務付けに警官の反発拡大 シカゴの労組は拒否

【シカゴ=野毛洋子】米国で新型コロナウイルスのワクチン接種義務化を巡り警官の間で反発が広がっている。中西部イリノイ州シカゴ市では先週末、義務付けを拒否する警察の労働組合を市が提訴した。東部メリーランド州などでも労組と地元政府が対立を深めている。接種の義務化が警官の辞職を招き人手不足が深刻になるとの見方もある。

接種義務の期限を迎えたシカゴ市は15日、約1万3000人の警官を代表する組合とジョン・カタンザラ代表をイリノイ州クック郡巡回裁判所に提訴し、接種義務の履行を阻止する行為の緊急差し止めを求めた。同代表は「市の接種義務化は違法であり接種の有無を報告する義務はない」と警察官に伝えていた。接種の報告を怠った警官は業務につけず実質的なストライキに発展する可能性があった。

同裁判所は即日、カタンザラ代表に行為差し止めを命じた。地元メディアによると、シカゴ警察は17日、接種義務に従わない警察官は解雇や年金受給の資格失効の可能性があると警告した。

その後、市側が組合に歩み寄ったもようだ。組合と対立するシカゴのローリ・ライトフット市長は18日、週2回の感染検査の報告を条件に接種義務の順守期限を年末まで延期すると発表した。

地元政府と警察組合の対立が起きているのはシカゴだけではない。複数の米メディアによると、メリーランド州ボルティモアでは接種期限の18日を前に、組合が接種の有無の報告をしないよう通達した。今月8日に期限を迎えた米ミシガン州アナーバーでも義務付けを違法とみなす組合と市の対立が続いている。

西部カリフォルニア州ロサンゼルスでは宗教上の理由で接種義務の免除を求める警官が相次ぐ。人材不足から義務化を緩めるケースも出ている。カリフォルニア州サンノゼは100人を超える警官が辞職する可能性があるとして、今年9月末の接種期限を年末まで延期した。

シカゴでも辞職や退職が相次ぐという。元警官のティムさんは「ワクチン接種の義務付けで退職する警官は増える」と話す。人材不足で長時間勤務を強いられることに不満を高め、他州や郊外に転職を検討する警官も増えているという。

米国の警官の殉職数を記録する「オフィサー・ダウン・メモリアル・ページ」によると2021年に新型コロナで死亡した警官は233人と銃撃による死者数の約5倍だった。米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は先週末にテレビ出演し「警官は責任のある職業であり、自らを守る意味からもワクチン接種が重要だ」と接種を求めた。

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